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「世界一速い会社」の秘密
【第1回】 2015年12月7日
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竹田正俊

あなたの仕事が遅いたったひとつの理由

 京都に「史上最速」と言われる小さな会社がある。その会社は、「試作」を専門にする会社だ。メーカーからの依頼を受けて、あらゆる「試作品」を製作する。たいていのものは24時間以内にカタチにして納品する。複雑な心臓の模型であっても最短4日でカタチにしてしまう。あらゆるムダを省き、効率を高めることでこのスピードを実現させた。

 創業以来14年間、ひたすら「速さ」を追求してきた「世界一速い会社」とはどうやって仕事をしているのだろうか? ここにその「速さ」の秘密を一挙公開しよう。

 

「遅くてもいい仕事」は「やらなくてもいい仕事」

 仕事が遅い人は、なぜ遅いのか?

 答えはシンプルです。「仕事を速くやる理由がない」のです。

 自分の仕事が誰を助け、誰を救い、誰を幸せにするか。それが明確でないから、仕事が遅くても平気なのです。

 「遅くてもいい仕事」というのは、もしかしたらやらなくてもいい仕事なのかもしれません。その仕事を「なぜ」やっているのか、一度立ち返ってみるといいでしょう。

 速さを追求するうえで、私は何よりも「使命感」を持つことが大切だと考えます。

 使命感なくしては、どんなに高額で最新の機械を揃えても、速さは追求できません。結局、機械を操作するのは「人」だからです。この仕事は何のために存在するのか、どのように社会に貢献するのか。それをきちんと理解しているでしょうか?

使命を理解していない会社は、単なる「作業場」と化してしまいます。そこは「仕事場」ではありません。

 仕事と作業は、明確に違います。その違いは、顧客が見えているかどうかです。

 たとえば、商品にシールを1万枚貼るという業務があるとします。このひとつの業務は、作業にも仕事にもなりえます。なぜこの業務をするのか、その意味がわからずに、「面倒だなあ」と思いつつ貼っているのなら作業です。

 一方、「このシールを貼ることでお客様に『この商品は安全だ』と思ってもらえるかもしれない」などと目的を理解していれば、仕事になります。貼り方に工夫をしようという気持ちも起きるかもしれません。

 つまり、その商品がお客さまにどう使われて、どう喜ばれるのかを知っていれば、業務の取り組み方が変わるのです。

 

「使命」のない仕事は速くならない

 先日、たまたま読んでいた雑誌にこんな言葉が書いてありました。

「そのあなたの命、何に使いますか?」

 読んだ瞬間、ドキッとしました。

最速の会社「クロスエフェクト」では、心臓の内部も再現した3Dモデルを最短4日で納品する。

 今、自分は命を何に使っているのだろう、正しく使えているのだろうか、と考えざるを得ませんでした。

 「使命」は「命を使う」と書きます。

 私は社長として、社員の命を預かり、人生の時間を使わせていただく立場です。言葉は悪いかもしれませんが、社員を朝から晩まで会社に拘束して、仕事場に閉じ込めているのです。社員の一回しかない人生を自分が預かっているのだと考えると、責任重大で身が引き締まる思いがします。

 もちろんこれは経営者に限りません。上司は部下の命を使わせてもらっているのだと考えるべきでしょう。さらに言うなら、取引先の命も使わせてもらっているのです。いたるところで相手の命を使わせてもらっているのだと考えたら、仕事の仕方も変わってくるはずです。

 私はいつも社員に「うちは使命を果たすために存在する会社だ」と伝えています。ただ試作品をつくっている会社ではありません。このことを理解してもらうために、繰り返し話しているのです。

 また、部下が判断に迷った場合は、上司や社長に聞こうと思う前に「会社の使命」を考えてほしい、と伝えています。

 あなたの目の前の仕事に使命はあるでしょうか? その仕事の先にいる誰かの顔は見えているでしょうか?

「最速の会社」の秘密を今後どんどん公開していきます。あなたの仕事やチームの仕事をスピードアップさせるヒントにしてください。

(続きは明日、更新します)
 

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竹田正俊

"株式会社クロスエフェクト代表取締役。1973年京都市生まれ。大手企業の下請け企業を経営していた父を見て、これからは「量よりもスピード」の時代が来ると考え、2000年、試作専門の会社「クロスエフェクト」を創業。徹底した「開発工程の短縮化」「時短」により試作品をどこよりも速く提供することをミッションとする。2009年、心臓など臓器の3Dモデルを開発し、テレビ東京系「カンブリア宮殿」などで紹介され、話題となる。2013年、「ものづくり日本大賞」にて最高賞である内閣総理大臣賞を受賞。「世界最速の会社」として日々、スピードの追求を続けている。


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