あなたは秘書から見て仕事のできる人?できない人? Photo:taka-Fotolia.com

 秘書の目は、鷹の目よりも鋭い。

 これは、私が秘書として働いていた時に、同僚から言われた言葉です。どういう意図でそう言ったのかを聞いてみると、「ボクが見えないところを見ている。いったい目がいくつあるのだろう、と思うほどだ」とのことでした。

 秘書は、その職業の性質上、「一流の目が養われる」ポジションと言えるでしょう。なぜなら、秘書の仕事の特異性により、通常、なかなか垣間みることのできない場面に身を置くことになり、一流の人たちが日々どのように仕事をしているのかをつぶさに見ることが可能だからです。

 たとえば、会議の議事録をとる役割を担うと、経営会議に参加することもあります。議事録をとりながら、経営層がどのようなテーマについて議論しているのか、その議論の論点はどこにあるのか、どのように意思決定がなされるのか、10年後には会社はどこに向かうのか、など様々な点について知ることになります。もちろん、その情報はコンフィデンシャルですから、他言することはありません。

 日々、秘書は、間近でリーダーの考え方や哲学、仕事ぶりに触れることができる立場なのです。

秘書は1日一緒に仕事をしただけで
仕事のできる人かどうか、がわかる

 ここで、きっとこんなふうに思う人もいらっしゃるのではないでしょうか。リーダーの側で働く秘書の人たちに、「仕事ができる人」とは、どんな人なのかを一度聞いてみたい、と。

 現在、一流秘書養成スクールを主宰していますが、受講生である現役秘書の人たちに、「1日仕事を一緒にしたら、その人が仕事のできる人かどうかわかりますか?」と聞くと、多くの人が声を潜めながら、こう言います。

「(躊躇しながら)大きな声では言えませんが、わかります」

 さらに、ベテラン秘書にもなると、将来、相手がどんなポジションにつくのかまで予測できると言います。それぐらい、「人を見る目」が、仕事を通じて養われていくものなのです。

 そこで今日は、誠に僭越ながら、秘書の立場・視点から見た「仕事のできる人、できない人」についてお伝えしたいと思います。