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変わり続ける
【第5回】 2016年1月6日
著者・コラム紹介バックナンバー
出井伸之 [クオンタムリープ株式会社代表取締役ファウンダー&CEO]

失敗がもたらす4つの「効能」

変化を選択するということは、リスクも大きくなる。当然、失敗もする。しかし、失敗は悪いことではない。自らの成功の土台にすることも可能なのだ。書籍『変わり続ける―人生のリポジショニング戦略』の著者である出井伸之氏に、失敗がもたらすものについて聞いた。(まとめ/編集部)

失敗は
4つの力をもたらす

 戦略的に変化を選択することで、自分の可能性のスイッチをオンにし、新たな自分に出会うことができる。しかし、時には失敗をすることもある。言ってしまえば、失敗は避けることができないもの。ただし、失敗を「成功の一部」にすることはできる。ここでは、「失敗」がもたらすものについて、まとめてみたい。

失敗には、思わぬ効能がある。
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 1.キャリア(現場経験)
失敗は「現場」からしか生まれない。失敗こそ、貴重なキャリアとなる。
僕の場合、海外生活や配置転換など、転職こそしていないものの、実に多くの「現場」を経験してきた。そのことが、結果として社長になったときに役に立った。失敗経験の豊富さは、チャレンジ経験の多い人材としてポジティブに評価されることも多い。

2.成長
「失敗」がなければ、人は成長しない。失敗を「次の成功」に変えられるか。
失敗はするものである。何かをすれば必ず失敗する。新しいこと、難しいことに挑戦すればするほど、失敗の数も増える。それらを一つひとつ乗り越えていくことで、人は成長する。その時々では気づかなくても、後になって成長を実感することもある。遅れてやってくる「力」ともいえる。

3.リスクとリターン
残念ながら、リスクをとらない人には、リターンもない。リスクをとれる人こそが生き残れる人材である。大きなリターンを手にするのは、大きなリスクをとってきた人だけだ。

4.自分の武器
失敗経験という「経験値」は、活かし方次第で自身の強みになる。やみくもにただ失敗すればいいという話ではない。仮説を立て、戦略的に考え、行動した結果の失敗であれば、次につながる。外国企業では失敗経験のある経営者は評価されるが、それは失敗を「自分の武器」にできた者にだけ与えられるものだ。失敗から何を学んだのかも、重要なポイントである。

  そもそも、失敗は不可避なものである。その前提の上で、いかに失敗から学び、次に活かしていくかが問われる。

  今までの常識を覆すような大きな変化が生じるかもしれないときに、いかに仮説を立てて、自分なりに検証し、判断し、行動できるかがカギとなる。常識を疑う力、常識が変わるかもしれないと想像する力。まさに仮説力だ。

  既存の延長線上ではなく、まったく新しいステージへの転換を図る際には、頼りになるものは自身の仮説しかない。経験をただの経験で終わらせずに、「経験値」として自分の財産にしていくためにも、常に仮説を立てることを習慣化させたい。

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出井伸之(いでい・のぶゆき) [クオンタムリープ株式会社代表取締役ファウンダー&CEO]

 

1937年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。60年、ソニー入社。外国部に配属。2度のスイス赴任の後、68年にフランス赴任、ソニーフランス設立に従事。オーディオ事業本部長、89年取締役を経て、95年から2005年まで社長、会長兼グループCEO。エレクトロニクス、ゲーム、音楽、映画、保険、金融等の事業領域を持つグローバル企業へと成長したソニーを変革する。06年、クオンタムリープ設立、ファウンダー&CEOに就任。12年、NPO法人アジア・イノベーターズ・イニシアティブ設立。アクセンチュアのアドバイザリーボード、百度の社外取締役、フリービットの社外取締役なども務めている。多彩な趣味でも知られ、ゴルフ、オペラ、ワインなどを嗜む。近著に『日本進化論』。


変わり続ける

企業の寿命は30年、一方ビジネスパーソンの仕事人生は50年以上といわれる。もはや会社に頼れない今、いくつになっても「個」として活躍し、楽しく「一生働ける生き方」のコツを、70代後半の現在もグローバル企業の経営に携わる元SONY会長の出井伸之が語る。

「変わり続ける」

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