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グーグルをがっかりさせた
カリフォルニア州の自律走行車規制草案

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第370回】 2015年12月21日
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どうなる「グーグルカー」

 米時間12月16日、カリフォルニア州が、自律走行車の規制に関する草案を発表した。これからパブリックコメントを受け入れる段階に入るのだが、同草案について、グーグルは「非常にがっかりする内容」とコメントしている。

 草案は、大きく4つの項目からなっている。そのうちグーグルが“がっかり”しているのは、特に「免許を持ったオペレーターが乗車し、技術的な故障やその他の緊急事態には車を操作できること」という部分だろう。

 グーグルは、何種類もの車種で自走技術をテストしてきたが、最新の車種は独自に開発したかわいい小型車だった。かたちがかわいいだけでなく、内部もびっくりなのはハンドルもブレーキもないことだ。あるのはボタン1つだけ。

 何と言っても自律的に走行する自走車なのだから、そうした装置がなくて当然だと、グーグルはそこまでのアピールをしてきたわけだが、今回の草案はそれを後戻りさせるような内容になっている。しかも、自走車は究極的には人間の同乗なしに走ることも想定されているのだが、この草案ではその見通しも遮ってしまったかたちだ。

 草案によると、人間が同乗しない自走車は当初は販売の対象外としている。いずれ別の安全基準等を検討した上で、改めて規制作りにかかるようだ。つまり、人が乗っている自走車と載っていない自走車は別々の規制下に置かれることになり、人が乗っていても車を操縦可能な状態にしなければならない。グーグルなどは、現在の自走技術開発からまっしぐらに車がひとりでに運転してやってくるような未来を描いていたのに、出鼻をくじかれたといったところだろう。

グーグルが製作した自動運転専用車の車内にはボタンが1つしかない。そのため規制草案では不適格となってしまうが…どうなるか。
画像出所:グーグル https://googleblog.blogspot.jp/2014/05/just-press-go-designing-self-driving.html
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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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