ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
マーケットが見える!人のココロをつかむセオリー

2016年テレビCMは生き残れるか

調査で実感した「マスリーチ神話崩壊」

藤田康人 [インテグレート代表取締役CEO]
【第92回】 2016年1月12日
1
nextpage

民放キー局の赤字決算で
テレビCMに走った衝撃

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 新年最初の回ですから、今年のマーケティングトレンドについて私なりに考えていることをお話ししてみたいと思います。

 今年は、日本の広告費で占有率が最も高いテレビCMの割合が減り、それに代わって、ネット広告などの比率の高まりが顕著になる年になるのではないでしょうか。

 昨年は、TBS系ドラマ『下町ロケット』など、非常に高い視聴率を獲得した番組こそいくつかありましたが、全体的にテレビ視聴率は低下の傾向にあり、CMの広告収入を柱とするテレビ局と、テレビCMの売り上げに大きく依存している大手広告会社の収益モデルがいよいよ崩れるのでは、ともささやかれています。

 テレビ局の収益については、フジテレビ単体の2015年度第2四半期決算が、1959年の開局以来の初の赤字となったことが大きな話題になりました。また、こうした動きと相まって、大手広告会社のテレビCMの売り上げも、前年と比べて微増、会社によっては微減という状況のようです。

 日本の大手広告会社は、同時に2社以上の競合クライアントを担当する「マルチクライント制」を採用しており、他の多くの国で採用されている1業種1社制とは対極にあります。分かりやすい例を挙げれば、特定の業種上位5社を、全て同じ広告会社の異なるチームが担当していることもあるわけです。

 扱いメディア別では、テレビの広告枠販売による収益の割合が他のメディアに比べて圧倒的に高く、従来はそれで十分に経営が成り立っていたのです。実際、日本においては「マーケティング=テレビCM」と言っても過言でない時代が、つい最近まで続いていました。

 欧米のように視聴者が数百あるチャンネルから番組を選ぶのと異なり、NHKと民放キー局5社の制作した番組がほぼ全国に行き届く地上波文化が浸透している日本では、やはり民放キー局の番組編成の中でCMを流すことが、企業にとって最も効率的に消費者にリーチする手段であることも納得がいくというものです。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
IT&ビジネス
関連記事
クチコミ・コメント

facebookもチェック

藤田康人 [インテグレート代表取締役CEO]

慶應義塾大学を卒業後、味の素株式会社を経て、92年、フィンランド人の社長と二人でザイロフィン ファーイースト社(現ダニスコジャパン)を設立。素材メーカーの立場から キシリトール・ブームを仕掛け、キシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。07年、株式会社インテグレートを設立し、代表取締役CEOに就任。著書に『どう伝わったら、買いたくなるか』『99.9%成功するしかけ』 『漂流する広告・メディア』講演活動も行っている。integrateGroupウェブサイト:http://www.itgr.co.jp/

 


マーケットが見える!人のココロをつかむセオリー

インターネットなど双方向メディアの普及に伴い、従来の広告メッセージが届きにくい時代になったと言われます。どんな方法なら消費者とのコミュニケーションが成立するのか。「次世代IMC」を掲げる注目のマーケティング企業CEOがその極意を伝授します。

「マーケットが見える!人のココロをつかむセオリー」

⇒バックナンバー一覧