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「婚迷時代」の男たち

「結婚格差」は縮まるか!?有権者が下した「金がねえなら結婚するな」への審判

西川敦子 [フリーライター]
【第23回】 2009年9月4日
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 投票用紙と一緒にポストに入っていた、白い封筒。開いてみたら、昔の友人からの結婚式の招待状だった。

 「へえ~。結婚するんだ、あいつ」

 一流企業に入社した友人。海外勤務を経て、昨年から都内の本社に戻ってきている。「新しい職場から見える夜景がすごくきれいなんだ。海も見えるしさ」と言っていたっけ。式場も都内の有名ホテルだ。

 喜ばしい話だが、かなり複雑な気分だ。ご祝儀に3万円は包まなければいけないだろうが、そのためには今月と来月の食費をぎりぎりまで絞らなければならない。あーあ、しばらくインスタントラーメン生活かよ……。

 今回の総選挙で歴史的な大敗を喫した自民党。その背景には小泉政権以来、増大した格差問題がある。中でも若い層にとって深刻なのは、雇用格差、収入格差と連動して広がった「結婚格差」ではないだろうか。

 折しも総選挙直前の8月23日、麻生首相はまさにこの点において「問題発言」をしている。

 それは、東京都内で開かれた学生との対話集会でのこと。「若者に結婚するだけのお金がないから結婚が進まず、その結果、少子化になるのでは」と質問した参加者に「金がねえなら結婚しない方がいい、そりゃ、うかつにそんなことはしない方がいい」などと答えた。

 これに対し、「質問の答えになっていない」とか「金がないのは政府のせいではないか」といった批判が相次いだのだ。

 「金がねえなら結婚するな」。「貧乏人は麦を食え」という池田勇人の言葉をも想起させるこの発言を、有権者たちはどう感じたのか。また、自民党、民主党の少子化対策をどう受け止めたのか――

 8月30日の衆議院総選挙当日、東京都中野区役所前などで男性有権者に話を聞いたところ、意外な反応が返ってきた。ちなみに、中野区は平成17年の国勢調査によると、男性が49.2%、女性が39.3%と未婚率がかなり高い。

「“金がねえ”は自己責任」
という有権者が多数

 「麻生さんの発言ですか?あの報道はマスコミが揚げ足取りをしただけ。騒ぎすぎでしょう」

 40代の会社員という男性は、いかにも理知的でスマートな印象だ。既婚で子どもが1人いるという。

 「言っていることは正論だと思いますよ。たしかに、若者が結婚できないのは金がないせいです。雇用問題をどうにかしないといけないでしょうが、根本的に解決するには、景気を回復させるしかない。今回投票したのは自民党ですね。4年前の衆院選ですか?やはり自民党に入れました」

 麻生発言を当然の事実として受け止めた人は、ほかにもいた。

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西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


「婚迷時代」の男たち

仁義なき最新の婚活事情から、結婚をビジネスにする企業、結婚生活や離婚の実態までを徹底取材。「結婚」という2文字に翻弄される男たちの姿を追う。はたして「結婚」は男を幸せにするのか――。

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