ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
「婚迷時代」の男たち

実は増えている都会の「マスオさん」!?
不況で復活する大家族主義と二世帯住宅

西川敦子 [フリーライター]
【第20回】 2009年8月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 パーキングエリアの手前は、思った通りかなり渋滞していた。毎夏、帰省するたびに目にする、おなじみの光景だ。だが、ハンドルを握る荘司実さん(仮名・37歳)は、いつもより重苦しい気持を持て余していた。昨年まで元気に荘司さん家族を出迎えてくれていた両親が、今年はいちだんと老け、弱って見えたのだ。

 「そろそろ将来の介護のことも考えないといけないのかな……」

 すると妻が意外なことを言い出した。

 「前から思っていたんだけど、この際、同居したらどうかな。2世帯住宅を建てて」

 「えっ」

 「私も仕事をしながら家事をするの、大変だし。子どもが熱を出したら会社を休まなきゃならないし。そんなときお母さんが手伝ってくれると助かると思うの」

 「本当にいいのか。だって……」

 荘司さんは次の言葉を飲み込んだ。母親と妻はあまり折り合いのいいほうではない。同居すれば、気の強い母親に気兼ねするのは妻の方だ。それでも彼女は我慢すると言ってくれている――。

 「あのさ、うちの実家ってけっこう庭が広いじゃない。ちょっと建て増しすれば2世帯だって行けちゃうと思うのよ。私の会社からも近いし。あ、あなたは乗り換えが大変かもしれないけど、まあ、我慢してよ」

 なんだ、やっぱり。楽しげに自分の計画を披露する妻に、思わずがっくりする荘司さんだった。

ひそかに増え始めている
「3世代同居」

 毎年実施している、厚生労働省の「国民生活基礎調査」で意外なことがわかった。1986年の調査開始以来、ずっと減り続けていた「3世代世帯」が昨年初めて増加に転じた、というのだ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
西川敦子氏の最新刊!「ワーキングうつ」

ダイヤモンド・オンライン、アクセス数ナンバー1の人気連載を大幅加筆・修正し遂に書籍化!「職場うつ」から休職→退職→再就職困難→生活保護という、急増する「貧困への負のスパイラル」を断ち切るための5つの方法を紹介。1500円(税別)

話題の記事

西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


「婚迷時代」の男たち

仁義なき最新の婚活事情から、結婚をビジネスにする企業、結婚生活や離婚の実態までを徹底取材。「結婚」という2文字に翻弄される男たちの姿を追う。はたして「結婚」は男を幸せにするのか――。

「「婚迷時代」の男たち」

⇒バックナンバー一覧