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TOBに失敗したアステラスに間近に迫る
「2010年問題」

週刊ダイヤモンド編集部
2009年3月25日
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 2ヵ月にわたって続いたアステラス製薬による米製薬会社CVセラピューティクス(以下、CVT)の敵対的買収が、あっけなく終焉を迎えた。

 3月13日、米ギリアド・サイエンシズがCVTのホワイトナイト(友好的な買収者)として登場、アステラスを25%上回る一株当たり20ドル、総額14億ドル(約1370億円)での買収を決定した。アステラスは16日、「株主価値の向上に見合わない」と買収価格の引き上げを諦めた。

 この2ヵ月のアステラスの動きは、敵対的買収に手慣れた欧米企業さながらのアグレッシブさだった。昨年11月に行なった買収提案が進展しないと見るや、1月27日にその事実を発表して株主に周知した。

提案が拒否されると株式公開買い付けによる敵対的買収に切り替え、CVT取締役を解任する株主提案を持ち出して揺さぶりをかけた。CVTはアステラスが昨年6月に米国で発売した心機能検査補助剤「レキスキャン」の導入元で、親密関係にあったが、遠慮はしなかった。

 強引さには理由がある。アステラスは2010年前後に主力製品の特許が切れ、売り上げが激減する「2010年問題」に直面している。昨年の免疫抑制剤「プログラフ」に続き、今年は売上高約1150億円の排尿障害改善剤「ハルナール」の米国での特許が切れる。

 それだけに「うまくいけば、将来、100億~200億円の営業利益も期待できる」(山口秀丸・日興シティグループ証券株式調査部マネジングディレクター)CVTは魅力的だった。米ファイザーや米メルクを巨額の買収に駆り立てたのも、この2010年問題だ。

 これまでアステラスは巨額の買収案件を手がけておらず、有利子負債はゼロで資金調達力は大きい。貪欲さを隠さぬ攻めの最後に、撤退という冷徹な判断を下した野木森雅郁社長は、どんな次の一手を打つのか。残された時間は多くはない。

(『週刊ダイヤモンド』編集部  佐藤寛久)

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