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任天堂は別格の存在に。
ソニー・MSは消耗戦を避けられるか
~ゲームビジネス見本市「E3」で見た最新事情

石島照代 [ジャーナリスト]
【第1回】 2010年6月23日
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 今月15日から、世界最大のゲームビジネス見本市「E3」(Electronic Entertainment Expo)が、米・ロサンゼルスで開催された。E3はその年のゲームビジネスの行方を占う上で、非常に重要なイベントとして位置づけられている。極端な話、このE3が盛り上がれば、その年のゲームビジネスも盛り上がるという感じだ。

(写真左)米・ロサンゼルスで年に1回開催される「E3」の会場、コンベンションセンター。
(写真右)会場では任天堂とソニーのブースが隣り合わせ。

 気になる今年の状況と言えば、規模と盛り上がり方はE3の最盛期に近く、不景気という外部環境の悪さはさておき、業界関係者の多くは、それぞれの立場で手応えを感じたようだ。今回はこのE3から、”ゲーム業界の歩き方”を考えてみたい。

「任天堂業界」と「その他ハード業界」
二つの生態系が別次元で存在するゲーム産業

 「任天堂が頭ひとつ抜けている」。これは、今年の「E3 2010」について、筆者から感想を求められた業界人全員が異口同音につぶやいた言葉だ。

 ある業界人は、現在の業界の状況を次のように説明する。「今年のE3で分かったのは、任天堂は完全に別格の存在になったということ。現在のゲーム産業は、『任天堂業界』と『その他ハード業界』の二つの業界で構成されていると言っていい。今回発表された『ニンテンドー3DS』も含め、任天堂は完全に独自路線を走っていることが明らかになった。これは、アップルも含めて、どのハードメーカーも任天堂に勝つことは容易ではないということだ」。

 この言葉を読み解くカギのひとつは、任天堂が現地時間15日の朝、E3開場に先駆けて開催したプレスカンファレンスにある。

任天堂プレスカンファレンスで「ニンテンドー3DS」を披露する、岩田聡任天堂社長。

 「任天堂はIPの使い方がうまいと思った。この点において、我々が学べることはたくさんある」。任天堂のプレスカンファレンス終了直後、ゲーム業界大手、カプコンの稲船敬二常務執行役員は、唸るようにつぶやいた。

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石島照代 [ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

 


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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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