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「引きこもり」するオトナたち

1度吸い込まれると抜け出せない
ブラックホール化する「引きこもり」のメカニズム

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第25回】

“自分が子育てを間違った”
子どもの「引きこもり」を憂うる親たち

 リーマンショック以降の雇用情勢悪化の影響で、自ら会社を辞めていく人たちや、「派遣切り」「リストラ」などに遭って「引きこもり」状態に陥る、新たな「大人の引きこもり」層が増えている。

 ハローワークに通っても「履歴書(キャリア)の空白」などがネックになり、採用につながらない。一旦、社会から離脱すると、なかなか社会に復帰できないまま、彼らは、こっそり地域の中に潜在化していく。

 年老いた両親も、賃金カットされたり、退職して年金生活に入ったりする中で、息子や娘が引きこもったまま、長期化、高年齢化していく事態に直面。収入がなく、貯金が切り崩されていくだけの家計の現実を前に、将来への絶望感が漂っている。

 「日本では、風邪を引いたり、捻挫したりすれば、すぐに内科や外科へ行くのに、精神科の受診は世間体を気にして、当事者も家族もためらう。その結果、引きこもりが10年、20年と長期化してしまうのではないか。せめて、親が亡くなった後には、自分で飯を食えるような状態にしてあげたい」

 そう訴えるのは、東京都中央区で開かれる引きこもり家族会『KHJ西東京・萌の会』の井手宏会長(69歳)。

 同会は都内でも珍しい、親や兄弟らが手作りでつくる、専門家のいない「引きこもり」関係の自助グループだ。

 会場は、地下鉄日比谷線の小伝馬町駅近くにある中央区の「協同ステーション中央」。小学校の空き教室を使った部屋に、毎月第2日曜日の午後、50~60人の家族が、情報交換や親睦などのために集まる。

 また、月に1回、会報を編集し、会員向けの発送作業も自分たちで行う。初めて訪れる家族の相談に乗ったり、引きこもる当事者と雑談したりする場でもある。

 「引きこもり」当事者のために、「コスモス」という“居場所”も無料で開かれる。月例会開催日、家族会が校舎内にある別の畳敷きの部屋に、お茶や菓子、ゲーム、トランプなどを用意。同じような気持ちを持った人たちや、カウンセラーの卵のような人たちも集まり、開催日の時間内であれば、気軽に自由に出入りできる。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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