「相続対策」が必要とわかっていても、何をどうやればいいのか? どこから手をつければいいのか?わからない人は多いことと思います。「まずは1冊のノートを用意すること」というのは、『子どもに絶対、迷惑をかけたくない人のための たった5日で相続対策』(ダイヤモンド社刊)の著者で税理士の板倉京さん。本書から抜粋・編集し、そのノートに書きこむべき必要事項は何なのか、その手順や気を付けるべきポイントなどを紹介していきます。

必要なのは「普通のノート」だけ! たった5日で相続対策をするための超重要ステップ相続対策ノートにはクレジットカード情報・電子マネー情報・サブスク・貸金庫の情報などは必ず書いておく(ノート記入例は『たった5日で相続対策』より)
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書いておかないと残された人が困ることとは…

相続後、故人が契約していたサービスなどの解約手続きをする上で困るのは「解約すべきサービスの情報」がわからないことです。解約しないと料金がかかり続けるのに、契約があったことに気づけないとか、解約に必要な情報がわからない、となると残された家族は大変です。

ですから家族に迷惑をかけないために、「クレジットカード」「様々なサブスク」「貸金庫」といったお金に紐づく情報について整理していきましょう。

「整理」という言葉を使ったのは、改めて確認すると、使っていないものも多いのではないかと思うからです。これを機に、利用していないものは解約・払い戻しをし、本当に使うものだけを残すという「整理」もしていきましょう。

お金が入っている可能性のある「ポイントカード」や「電子マネー」なども一緒に確認していきます。

会費ゼロのカードでも解約手続きは家族の負担になる

まずは、クレジットカードから。

お手元にクレジットカードをすべて用意してください。並べてみると使っていないクレジットカードが結構ある、という方も多いのではないでしょうか。年会費を払っていながら使っていないカードもあるかもしれません。

仮に年会費ゼロだとしても、相続後は家族がすべてのクレジットカードの解約の手続きをすることになります。

使っていないものは、自分で早めに解約しましょう。

とりあえず残すものは、冒頭のノートの例のように年会費の有無や引落時期も書いておきましょう。自分が解約する際の参考にもなります。

電子マネー・ポイント・マイルなども、知らないと放置されて貯めていたものが無駄になってしまいます。残高の多いものは記載しておきましょう。IDやパスワードが必要なものは、備考欄に記載してください。

料金滞納扱いになる可能性もあるサブスク

サブスク・定期購入・有料アプリ・スポーツクラブ・習い事などの契約は、相続後に家族が気づきにくく、解約しそびれることが多々あります。

契約しているサービスを解約しないまま、故人の銀行口座やクレジットカードを解約すると、料金の引落が止まり、料金滞納扱いになってしまうことがあります。そうなるとますますやっかいです。

そんなことにならぬよう漏れなく記載しておくようにしましょう。

ネットで契約したものの中には、ネットでしか手続きできないものもありますし、解約手続きがわかりにくいものも多く、残された家族が解約するのは大変です。ログインに必要なIDやパスワードはもちろん、解約方法の書いてあるページなどもわかれば記載しておきましょう。

自分がどんな契約をしたか忘れている人は

自分がどんなサブスクや有料アプリを契約しているかを忘れている人もいるかもしれません。

そんな方は、無駄に会費を払い続けているものがないか、「銀行口座」「クレジットカード」「携帯料金」のそれぞれの明細を1年分見直してみましょう。

思わぬ引落が見つかるかもしれません。利用していないもの、費用対効果が悪いものは早めに解約しましょう。

貸金庫も、その存在に家族が気づきにくいものです。また、貸金庫のカギがみつからない、というトラブルも多いと聞きます。

貸金庫やトランクルームを利用している場合は、契約先や連絡先、カギの保管場所を記載してください。

*本記事は、板倉京著『子どもに絶対、迷惑をかけたくない人のための たった5日で相続対策』(ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成しています。