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横浜の“傾斜マンション”管理組合は大企業とどう戦ったか

ダイヤモンド・オンライン編集部
2016年2月5日
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杭のデータ偽装が発覚し、各メディアの報道で話題となった横浜市都筑区の“傾斜マンション”騒動。管理組合はどのように対処したのか、その苦難の道のりをリポートする。(「ダイヤモンドQ」編集部 山本猛嗣)

施工ミス?住民が発見した
不可解な手すりのズレ

 「なんだ、これは……。施工不良かな」──。「パークシティLaLa横浜」の管理組合の理事を務める太田哲次さんは、違和感を覚えた。

写真提供:ソーシャルジャジメントシステム(SJS)

 残暑が厳しい2014年9月、太田さんは、修繕に必要な部分をチェックするため、マンション内をくまなく見て歩いていた。管理組合でマンションの定期的な修繕工事の準備を担当する大規模修繕委員を務めていたからだ。

同マンションの四つの棟のうち、西棟と中央棟をつなぐ渡り廊下に差し掛かると、西棟側の手すりの位置が微妙に下がっていると感じたのだ。

 これが後々、杭のデータ偽装と施工不良による横浜の“傾斜マンション”として、新聞、雑誌、テレビなどで大々的に報道されることになる。さらには、全国的に広がった杭のデータ偽装問題の発端でもあった。

 問題となったパークシティLaLa横浜は、横浜市都筑区にあり、2007年11月に完成。地上12階建て、705戸、4棟から成る分譲マンションだ。隣接する大規模ショッピングセンター「ららぽーと横浜」と一体で開発され、保育園も併設されている。

 販売元は三井不動産の子会社である三井不動産レジデンシャル。施工の元請けは準大手ゼネコンの三井住友建設。杭打ち工事は、旭化成の子会社の旭化成建材が担当した。11年に国土交通省が後援するプロジェクト「土地活用モデル大賞」も受賞した話題のマンションだった。

 最寄り駅のJR横浜線・鴨居駅から徒歩で約15分と決して便利とはいえない立地だが、「大型商業施設と小中学校が近い。買い物に便利で環境が良く、価格も手頃なため、ファミリー層だけでなく、高齢者にも人気の物件だった」(不動産業者関係者)。

 マンションの1階ロビーや周辺の緑地スペースでは、子供たちが元気に走り回り、高齢者らが談笑する光景が日常的に見られる。

 素人目には傾いているなんて、まったく感じない。重厚感あふれる立派なマンションだ。住民らにとっても、自慢のマンションが、根本から揺らいでいる格好だ。

手すりのズレは
震災の影響と回答

 現在、LaLa横浜の管理組合は、売り主である三井不動産レジデンシャルからの全棟建て替えの提案を受け、連日、住民の意思確認などの準備作業に追われている。

 ただし、ここに至るまでは、艱難辛苦の道のりだった。 

 「これは東日本大震災の影響ですね」──。14年9月に手すりの高さのズレを発見した太田さんが売り主の三井不動産レジデンシャルに伝えたところ、素っ気ない回答だった。「本当にそうなのか」──。

 太田さんは疑問に感じた。

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