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宿輪ゼミLIVE 経済・金融の「どうして」を博士がとことん解説

“中国株”を混乱させる人民元安と原油安をどう克服するか

宿輪純一 [経済学博士・エコノミスト]
【第29回】 2016年2月3日
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 1月29日に日本銀行はマイナス金利を導入する金融政策を導入した(詳しい解説は第28回宿輪ゼミ)。日本の為替・株式など金融市場が年初より混乱していたが、その対応でもあることは間違いない。物価上昇への効果は弱い。

 その混乱する日本の金融市場であるが、特に日本株に影響を与えていたのが「中国株」である。年初からの中国株の下落は、日本株下落の引き金になった。今回は、その中国株の構造と今後の動きを考えてみよう。

アベノミクス以降の株価上昇分も吹っ飛ぶ

 世界の株式市場が大幅に下落している。その原因は中国株(上海株)である。年初来発生した上海株の下落を始めとした金融市場の混乱は、昨年の8月に続くものである。昨年8月の混乱を「チャイナショック」、今回の混乱は「サーキットブレーカー」の制度を中止したことがさらに混乱を増長させたことから「サーキットブレーカー・ショック」といわれている。

 実際、米国株も日本株も中国株の混乱を反映するような形で、“つられて”弱気の相場になっている。ここまで日本株は、日本銀行総裁に財務省出身の黒田東彦氏が就任し、アベノミクスの一環で量的・質的金融緩和を導入し、為替を円安に誘導し、資金の流入により日本株も大幅に上昇させた。しかし、今回の年初からの日本株の下落は、アベノミクス以降の株価の上昇分を吹っ飛ばした形となっている。

 個別株式は“個別企業の業績”の反映ともいえるが、その国の代表的な株価指数となると、“国全体の景気”を表すことになる。中国経済(景気)は、今後は「新常態(ニューノーマル)に入った」という習近平総書記や李克強首相の発言でも分かるように、決して以前のようには、景気が良くない。特に製造業と不動産・建築業の“2つの過剰”がマクロ経済(景気)の足を引っ張っている。

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宿輪純一[経済学博士・エコノミスト]

しゅくわ・じゅんいち
 博士(経済学)・エコノミスト。帝京大学経済学部経済学科教授。慶應義塾大学経済学部非常勤講師(国際金融論)も兼務。1963年、東京生まれ。麻布高校・慶應義塾大学経済学部卒業後、87年富士銀行(新橋支店)に入行。国際資金為替部、海外勤務等。98年三和銀行に移籍。企画部等勤務。2002年合併でUFJ銀行・UFJホールディングス。経営企画部、国際企画部等勤務、06年合併で三菱東京UFJ銀行。企画部経済調査室等勤務、15年3月退職。4月より現職。兼務で03年から東京大学大学院、早稲田大学、清華大学大学院(北京)等で教鞭。財務省・金融庁・経済産業省・外務省等の経済・金融関係委員会にも参加。06年よりボランティアによる公開講義「宿輪ゼミ」を主催し、4月で10周年、開催は200回を超え、会員は“1万人”を超えた。映画評論家としても活躍中。主な著書には、日本経済新聞社から(新刊)『通貨経済学入門(第2版)』〈15年2月刊〉、『アジア金融システムの経済学』など、東洋経済新報社から『決済インフラ入門』〈15年12月刊〉、『金融が支える日本経済』(共著)〈15年6月刊〉、『円安vs.円高―どちらの道を選択すべきか(第2版)』(共著)、『ローマの休日とユーロの謎―シネマ経済学入門』、『決済システムのすべて(第3版)』(共著)、『証券決済システムのすべて(第2版)』(共著)など がある。
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宿輪ゼミLIVE 経済・金融の「どうして」を博士がとことん解説

「円安は日本にとってよいことなんでしょうか?」「日本の財政再建はどうして進まないのでしょうか」。社会人から学生、主婦まで1万人以上のメンバーを持つ「宿輪ゼミ」では、経済・金融の素朴な質問に。宿輪純一先生が、やさしく、ていねいに、その本質を事例をまじえながら講義しています。この連載は、宿輪ゼミのエッセンスを再現し、世界経済の動きや日本経済の課題に関わる一番ホットなトピックをわかりやすく解説します。

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