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ある日、「爆買い」中国人が来なくなったらどうするか?

~『「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか?』(中島恵著)を読む

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【第10回】 2016年2月6日
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「爆買い」で何を買っている?

 2016年は年頭から中国の株式市場が不安定になり、いよいよ中国経済の減速が実感されるようになってきた。しかし日本を訪れる中国人観光客の「勢い」は衰えない。

『「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか?』
中島 恵著 プレジデント社
255p 1500円(税別)

 中国の旧暦で元旦にあたる「春節」は、今年は2月8日。その前後、2月7日から13日にかけて、中国では大型連休になる。そのため、この1月の中国人観光客へのビザ発給数は昨年同時期を上回り、日本行き航空便の予約はほぼ満席。今年の2月も膨大な数の中国人観光客を迎えることになりそうだ。

 2015年の「ユーキャン新語・流行語大賞」を受賞した「爆買い」。本書はフリージャーナリストの中島恵氏が、来日する中国人観光客や中国国内に住む人々、そしてインバウンド消費を推進する日本の全国各地の観光関係者にいたるまでの「生の声」をていねいに取材して書かれたものだ。

 中島氏は、北京大学や香港中文大学に留学後、新聞記者を経てフリーとなり、中国・香港・台湾など主に東アジアのビジネス事情、社会事情等を新聞、雑誌、インターネット上に執筆。中国との関係は29年に及ぶベテランジャーナリストだ。本書では長年つき合い、見つめてきた中国人、とりわけ庶民たちの心理や考え方にも焦点を当てながら、「爆買い」の現場で実際に何が起こっているのか、それが今後どのように変化していくかをわかりやすく解き明かしている。

 ここ数年ほどは、靖国問題や尖閣諸島を巡る領土問題などにより、政治面での日中関係は良好とはいえない。そんな状況に加え、中国のGDPは日本を上回り、日本は中国に世界2位の経済大国の座を奪われてしまった。

 政治レベルでの日中の緊張関係はしばらく続きそうだが、そんなことにはおかまいなく、中国の人々は大挙して日本を訪れている。彼らの多くは経済的に余裕がある富裕層だ。

 彼らは日本にある「良いもの」をどんどん中国に持って帰っている。持って帰っているのは電化製品や日用品、食品だけではない。私は、仕事でつき合いのある東大教授から、いかに中国人留学生たちが真面目で優秀かをよく聞かされる。彼らの多くは学位を取ったら中国に戻っていくそうだ。知識や技術も「持ち帰り」の対象なのだ。

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浅羽登志也

情報工場シニアエディター。1989年、京都大学大学院修士課程修了後、リクルート入社。同社スーパーコンピュータ研究所にてインターネットに関する研究に従事。1992年、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)に創業メンバーとして入社。インターネット黎明期からサービス開発・技術開発に携わる。IIJは、日本で最初にインターネット接続の商用サービスを開始したインターネットサービスプロバイダで2006年12月東証一部上場。1999年、IIJ取締役、2004年より2009年までIIJ取締役副社長。2008年より2015年までIIJイノベーションインスティテュート代表取締役社長。2015年7月よりIIJフェロー。情報編集にも興味を持ち、2007年より松岡正剛氏主催のイシス編集学校で松岡流編集術を学ぶ。現在イシス編集学校の師範を務める。2010年に軽井沢へ転居。自然農法で、自家用の蕎麦や大豆を栽培中。

 


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