ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
一流の育て方
【第10回】 2016年4月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
ミセス・パンプキン

親は「中途半端な習い事」をさせないで! 子どもに「やめ癖」がついてしまう

竹中平蔵教授が「『親の教科書』といえる稀有な良書」と評し、『「学力」の経済学』著者、中室牧子氏が「どうやって子どもをやる気にさせるのか、その明快な答えがここにある」と絶賛!
“グローバルエリート”ムーギー・キム氏と、子育て連載でバズ記事連発のミセス・パンプキン氏が膨大な「家庭教育調査」から著した画期的な一冊『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子』を育てるから、子どもにとって「本当にためになる」育て方の秘密を公開する。

途中で簡単にやめさせない
──中途半端に投げ出す癖をつけない

【家庭教育アンケート】

●始めたことは最後までやり抜く教育を受けた
 私は5歳からピアノを習いました。初めはグループレッスンからでしたが、その教室が終わった後も母は私のレベルに合わせて、いつも先生を変えて習わせてくれました。ある先生の事情でレッスン継続が無理になったときは、母はあらゆる情報やつてを頼り、遠方の先生を見つけてくれて、レッスンが継続できるようにしてくれました。このような母のサポートや姿勢のおかげで、私は一つのことをやり抜く力を養ったと思います。(大阪大学Kさん)
途中で投げ出させると「癖」になる
 私は小学生時代、体を動かすことが好きで、両親に頼み、スイミングスクールに通わせてもらっていました。私が通っていたスイミングスクールでは、24級から1級までのランクがあり、それぞれ月1回のテストに合格すると次の級に進めるというシステムでした。
 2級までは何とか合格できたのですが、1級になかなか合格できず、次第にスクールに行くのが嫌になり、スイミングスクールを退会したい旨を両親に伝えました。
 そのとき両親は、「物事を途中で投げ出すとそれが癖になり、自分で妥協点を勝手に見つけ、すべて中途半端に終わらせてしまう人間になってしまう」と言って、退会を許してくれませんでした。
 元来負けず嫌いな私は、休日、市民プールに両親と通い、苦手な背泳ぎの練習を繰り返し、3回目のテストで合格し、スイミングスクールを卒業しました。合格通知を受け取った瞬間の達成感や清涼感、また退会せずに最後までやり通して本当によかったと思ったことを今でも鮮明に覚えています。(青山学院大学経済学部Mさん)

 

【ミセス・パンプキンからの講評】

継続は力なり
──やめたがる子どもを「石の上に3年」座らせる

 「途中で投げ出さない習慣」を与えることは、子どもの「やり抜く能力」や「秘めたる才能」を引き出すうえで、決定的な重要性を持ちます。本アンケートでも、「途中でやめさせなかった親」に感謝している学生さんが、ことのほか多いことに気づかされました。

 「石の上にも3年」「継続は力なり」ということわざは、ダテではありません。私の友人の桜さん(仮名)は、速記の達人です。アラビア文字に似た記号などを使って、同時通訳のようにして人の発言を記録していく、かなり高度な技能です。

 彼女は高校1年生のころにすでに相当な級を持ち、速記大会でもいつもいい成績を収めていました。速記といえば桜さん、桜さんといえば速記の上手な人というほど、速記は彼女を際立たせていました。

 最初は父親に勧められて、軽い気持ちで習い始めたそうです。でも始めてみると難しく、なかなか興味が持てません。何度もやめると申し出たそうですが、いつも「石の上にも3年と言う。3年もやらなくてよいから、せめて基礎だけでもマスターしてからやめなさい」と言われるばかりでした。無理にでもやめたら、きっとこれからは自分の希望をこれまでのようには聞いてもらえないだろうと思ったほど、親の態度は固く、取り入る隙がなかったと言います。

 彼女はかなり恵まれた家庭環境でしたから、他に習い事をしていても不思議ではないのですが、彼女が習わされたのは速記だけでした。早く基本をマスターして、やめられるようになろうと考えを切り替えたそうです。

 基礎を覚えたころには速記の面白さに開眼し、やがてどんどん練習して上達していったそうです。その腕前を見せてもらいましたが、私たちの会話を素早く記号で表し、それを日本語に書き換えていく手つきは芸術的でした。決して華やかとはいえない特技かもしれませんが、1章でも触れた「一芸に秀でている人が持つ自信」があふれていて、彼女をとても輝いた存在にしています。

 「せめて基礎だけでもマスターせよ」と説得して弱音を受けつけなかった親御さんの固い意志と態度が、何ごともやればできるという自信を持つ魅力的な彼女をつくりあげました。学業も優秀だったのはいうまでもありません。

 多くの習い事に通ってはいるけれど、やめるのは自由で、いろんな習い事を取っ替え引っ替えやっている子どもさんをよく見かけます。これでは何一つものにせず中途半端に終わってしまいます。
 かといって、「途中でやめる癖がつくから続けなさい」と言うだけでは、説得力がありません。やめたがる子どもを「石の上に3年」座らせるには、親自身が強い意志を持つ必要があります。

 桜さんのお父さんは「基礎だけでもマスターしたら」と言っていましたが、やめるには何を達成する必要があるかという目標を子どもに決めさせるのもよいでしょう。

 もちろん、中にはすぐにやめさせたほうが適性のあることに集中できることもあるので、一概に一般化できない話ではあります。
 それでも基本的には「簡単にはやめさせない」という確固たる教育方針のもと、説得力ある言葉で励ましながら継続させることが大切です。幼少期に初志貫徹する習慣をつけることが、人生を通じて何ごとも最後までやり遂げる力の礎となるのです。

(※この原稿は書籍『一流の育て方』から抜粋して掲載しています)

スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
著者セミナー・予定
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


ミセス・パンプキン

1947年生まれ。立命館大学法学部卒業。一般的な家庭でありながら、4人の子どもはそれぞれ、プライベートエクイティ・プロフェッショナル、ニューヨーク州弁護士やロンドン勤務の公認会計士、カナダの大学教員などグローバルに活躍するプロフェッショナルに成長。東洋経済オンラインでの長期にわたる人気連載「ミセス・パンプキンの人生相談室」では膨大な数の育児相談をこなし、さまざまな家庭の問題について、洞察あふれるアドバイスを提供している。


一流の育て方

竹中平蔵教授が「『親の教科書』といえる稀有な良書」と評し、『「学力」の経済学』著者、中室牧子氏が「どうやって子どもをやる気にさせるのか、その明快な答えがここにある」と絶賛! “グローバルエリート”ムーギー・キム氏と、子育て連載でバズ記事連発のミセス・パンプキン氏が膨大な「家庭教育調査」から著した画期的な一冊『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子』を育てるから、そのノウハウを大公開する。

「一流の育て方」

⇒バックナンバー一覧