ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
今週のキーワード 真壁昭夫

金融市場混乱の陰で拡大する世界経済への不安

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第415回】 2016年2月16日
1
nextpage

金融市場は当面「立ち入り禁止」
信用不安が世界的に拡大の懸念も

市場関係者の間には「当面、金融市場に入るのは危険」との声も

 足元の株式・為替・債券の金融市場が大きく変動している。日経平均株価は、2月15日現在では反騰しているものの、2月12日には約1年4ヵ月ぶりに1万4800円台まで下落し、為替市場では一時1ドル=111円台まで円高が進んだ。

 一方、国内の国債市場では、10年物国債の流通利回りが史上初めてマイナスに落ち込むなど金融市場は大荒れの状況だ。市場関係者の中には、「特別に急ぐ事情がない限り、金融市場に入るのは危険」との声も出ている。

 1月29日の日銀の予想外のマイナス金利導入で、一時、株高・円安方向に動き安定性を取り戻したように見えた。しかし、黒田総裁の“バズーカ第3弾”は、わずか2営業日しか効果が続かなかった。

 中国経済の減速鮮明化、米国経済の減速懸念に加えて、ここに来て欧州地域の有力金融機関の経営状況の悪化懸念が台頭しており、投資家がリスクを嫌う=リスクオフの動きが一段と顕著になっている。

 当面、中国や米国経済の先行きの不透明感を拭い去ることは難しい。欧州の有力銀行の信用力に対する懸念については、当該国の政府や財務当局高官が盛んに火消しに回っているものの、いったん燃え上がった火を短期間で消し止めることは困難だ。

 金融機関が自己資本積み上げのために多く発行した“COCO債(Contingent Convertible bond)=偶発転換社債”は、米国やアジア地域の金融機関も発行した。

 信用不安が欧州の銀行以外にも、世界的に拡大することも懸念される。当面、金融市場は“立ち入り禁止”の状況が続くかもしれない。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
ビジネスプロフェッショナルの方必見!年収2,000万円以上の求人特集
ビジネスプロフェッショナルの方必見!
年収2,000万円以上の求人特集

管理職、経営、スペシャリストなどのキーポジションを国内外の優良・成長企業が求めています。まずはあなたの業界の求人を覗いてみませんか?[PR]

経営課題解決まとめ企業経営・組織マネジメントに役立つ記事をテーマごとにセレクトしました

クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

注目のトピックスPR

話題の記事

真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


今週のキーワード 真壁昭夫

経済・ビジネス・社会現象……。いま世の中で話題となっているトピックス、注目すべきイノベーションなどに対して、「キーワード」という視点で解説していきます。

「今週のキーワード 真壁昭夫」

⇒バックナンバー一覧