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宿輪ゼミLIVE 経済・金融の「どうして」を博士がとことん解説

ついにみずほ・三菱東京UFJも人民元決済インフラに参加
着々と進む人民元の国際化・基軸通貨化

宿輪純一 [経済学博士・エコノミスト]
【第30回】 2016年2月17日
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 中国は昨年「クロスボーダー人民元決済システム(CIPS: Cross-Border Inter-Bank Payments System)」をリリースしました。これは“国際的”な人民元取引の決済システムです。先進国の決済システムには、他国(海外)の有力銀行は参加するのが通例となっています。しかし、このCIPSは、当初、邦銀の参加が認可されなかったのです。これは最近の中国関係の国際金融のレジーム(体制)では珍しくないのですが、アジアインフラ投資銀行(AIIB)と同様に日本は排除されている印象がありました。

 最近、中国との外交関係もやや改善の兆しを見せてきたことや、中国の金融市場が混乱をしていることなどが背景と考えられますが、今年に入って、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行の2邦銀の参加が認可されました。

 今後の中国経済は、以前のような10%を超えるような高度成長は見込めませんが、13億人の人口で6~7%の成長が予想されています。経済成長率は先進国と比べると非常に高く、国(経済)のレベルで考えた場合、まだまだ中国との取引には大きな魅力があります(これが欧州がAIIBに参加した主たる理由です)。

 この観点からいっても、中国との取引、すなわち人民元決済は必要不可欠ということになります。そして、この観点は、日本の企業や銀行にとっても変わりません。この決済システムでは貿易も市場取引も対応できるので、日系企業の貿易決済にも役に立つことができるでしょう。

 中国人民銀行が司る決済インフラの構成も、日本を参考にしています(ちなみに、筆者の書籍を中国語に翻訳して教科書として使っています)。そもそも、人民銀行の中央銀行決済システムCNAPS(China National Advanced Payment System)は日銀ネットをコピーしたものでした。そういう意味ではこのCIPSは日本における「外為円決済制度」です(中国特有の決済システムの発展もあります。国土が広いために「小切手イメージ処理決済システム」、またインターネットの発展にあわせ「インターネット決済システム」などもあり、一方、地場(ローカル)の決済システムも残っているという特徴もあります)。

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宿輪純一[経済学博士・エコノミスト]

しゅくわ・じゅんいち
 博士(経済学)・エコノミスト。帝京大学経済学部経済学科教授。慶應義塾大学経済学部非常勤講師(国際金融論)も兼務。1963年、東京生まれ。麻布高校・慶應義塾大学経済学部卒業後、87年富士銀行(新橋支店)に入行。国際資金為替部、海外勤務等。98年三和銀行に移籍。企画部等勤務。2002年合併でUFJ銀行・UFJホールディングス。経営企画部、国際企画部等勤務、06年合併で三菱東京UFJ銀行。企画部経済調査室等勤務、15年3月退職。4月より現職。兼務で03年から東京大学大学院、早稲田大学、清華大学大学院(北京)等で教鞭。財務省・金融庁・経済産業省・外務省等の経済・金融関係委員会にも参加。06年よりボランティアによる公開講義「宿輪ゼミ」を主催し、4月で10周年、開催は200回を超え、会員は“1万人”を超えた。映画評論家としても活躍中。主な著書には、日本経済新聞社から(新刊)『通貨経済学入門(第2版)』〈15年2月刊〉、『アジア金融システムの経済学』など、東洋経済新報社から『決済インフラ入門』〈15年12月刊〉、『金融が支える日本経済』(共著)〈15年6月刊〉、『円安vs.円高―どちらの道を選択すべきか(第2版)』(共著)、『ローマの休日とユーロの謎―シネマ経済学入門』、『決済システムのすべて(第3版)』(共著)、『証券決済システムのすべて(第2版)』(共著)など がある。
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連絡先: info@shukuwa.jp

 


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「円安は日本にとってよいことなんでしょうか?」「日本の財政再建はどうして進まないのでしょうか」。社会人から学生、主婦まで1万人以上のメンバーを持つ「宿輪ゼミ」では、経済・金融の素朴な質問に。宿輪純一先生が、やさしく、ていねいに、その本質を事例をまじえながら講義しています。この連載は、宿輪ゼミのエッセンスを再現し、世界経済の動きや日本経済の課題に関わる一番ホットなトピックをわかりやすく解説します。

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