ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
from dot.

ニートの姉の将来は誰がみるのか?「きょうだいリスク」という新たな問題

dot.
2016年2月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
「きょうだいリスク」が起こる背景は何なのか?

 小中学生の子ども3人を育てる女性(47)の目下の不安は、姉(50)だ。独身で、ほぼ無業、いわゆるニートだ。親の庇護のもとに実家暮らし。掃除や洗濯も70代の母の役目で、金銭的にも親に頼り切っている。大手企業に勤めていた父親は、姉の将来を見越してマンションを購入し、姉の将来の生活費も残すという。

 「将来、仮に金銭的には何とかなるにしても、自分のことをやったことのない姉が、親が亡くなった後、一人で暮らしていけるのか……」

 親亡き後、頼れる身内は自分だけだ。女性は子育てに追われながらも、将来の姉のことを思うと不安が募る。

 自営業で働く独身の50代の女性には、7歳上の兄がいる。兄は父親とそりが合わず、若い頃に実家を出たきりだ。兄は結婚しているが、子どもはいない。アルツハイマーの母の介護と3年前に亡くなった父の世話は、ずっと女性一人が担ってきた。それなのに父親が亡くなると、兄夫婦は家賃がかからない実家暮らしを希望して、実家に頻繁に押しかけてきた。兄は収入が不安定で、さらに不動産のローンも抱えている。親の介護の負担は全く担わなかったのに、実家の財産だけをあてにしているのだ。

 「兄の話をするだけで怒りが込み上げてくる。同居したら、兄の介護まで私が担わされる。そんなことをしたら、延々と介護をするだけで私の人生が終わってしまう」

きょうだいリスク 無職の弟、非婚の姉の将来は誰がみる? 平山亮、古川雅子著 定価:820円(税込)

 2月12日に発売される『きょうだいリスク――無職の弟、非婚の姉の将来は誰がみる?』(平山亮・古川雅子著、朝日新書)には、上記のような、きょうだいに不安や悩みを抱える人たちがたくさん登場する。

 これら「きょうだいリスク」が起こる背景は何なのか。著者でノンフィクションライターの古川雅子さんは、「非正規化」と「非婚化」があると指摘する。総務省の「就業構造基本調査」によると、日本における非正規雇用者の割合は2014年には37.4%と大きく上昇した。実に3人に1人が非正規だ。また、「生涯未婚率」も上昇。国立社会保障・人口問題研究所の統計によると、10年の生涯未婚率は男性20.14%、女性10.61%だ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事


from dot.

『週刊朝日』や『AERA』を発行する朝日新聞出版のwebサイト「dot.」とのコラボレーション連載。

「from dot.」

⇒バックナンバー一覧