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山崎元のマネー経済の歩き方

なぜアクティブ運用が生き残っているのか?

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第136回】 2010年7月12日
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 ツイッターのやりとりを見ていたら、あるインデックス投資家の、公的・私的な年金資金の双方が多かれ少なかれインデックスで運用されている事実を考えてみてください、という問いかけがあった。

 実際、公的年金の運用方針では、国内株式・外国株式の運用資金の7~8割程度をインデックス運用に振り向けることが多い。

 筆者流に整理すると、(1)低コストだから、(2)シンプルでわかりやすいから、(3)複数のアクティブ運用を用いると実質的にインデックス運用のような内容になるから、という3点が理由だ。

 年金基金がアクティブ運用を委託する場合、さすがに個人向けの投資信託のような年率1%を超えるほどの暴利を取られることはないが、運用手数料は運用資産額の30~40ベーシスポイント(1ベーシスポイントは100分の1%)くらいになることが珍しくない。これに対して、インデックス運用の手数料は、資金の大きさにもよるが10ベーシスポイントを切ることが珍しくない。

 加えて、資産配分計画を作成する際に用いられるベンチマーク(日本株ならTOPIXが多い)と同じ指数に対するインデックス運用を使うと、資産配分と個々の資産クラスの運用が整合的になって好都合だという理由もある。

 また、多数のアクティブ運用を用いると、絵の具をたくさん混ぜると灰色になってくるがごとく、合計された全体の性質がインデックス運用に似てくる現象がある。実質的にインデックス運用と変わらないなら、手数料の高く、管理が面倒なアクティブ運用を使うよりも、最初からインデックス運用にしてしまうほうが合理的だ。

 これら3つの理由に加えて、そもそも(4)アクティブ運用がインデックス運用に勝てないから、という現実的な理由もある。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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