リーダーに不満を言う女性部下は<br />「炭鉱のカナリア」である

仕事において女性の活躍が重要であることは言うまでもない。メンバーとしての女性とはどんな存在か、また女性がリーダーとして活躍するために必要なものは何か?1000人以上の経営者へのインタビューを15年にわたって続けてきた藤沢久美氏の最新刊『最高のリーダーは何もしない』からお送りする。

意外と気づかれていない
女性メンバーが貴重な理由

リーダーの特徴である「繊細さ」といえば、女性らしさの代表のような気もしますが、ここで少し、閑話休題。
昨今の女性の社会参画推進に関連して、女性のメンバー・女性のリーダーというものについて、私が考えていることをお伝えしておきたいと思います。

組織・チームにおける女性メンバーというのは「炭鉱のカナリア」、つまり、組織の空気の悪化をいち早く知らせてくれる存在です。
かつて、炭鉱夫はカナリアを連れて炭鉱に入ったそうです。カナリアという鳥はつねにさえずっていますが、窒息ガスや毒ガスに気づくと急に鳴き止み、炭鉱内の環境変化を教えてくれる貴重な存在だったからです。

組織においても同じで、女性たちは職場で抱いた違和感などを、率直に言葉にすることが多いように思います。リーダーはこうした女性の声に耳を傾けることで、いち早くチーム内の不協和音に気づくことができます。