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海から見た世界経済
【第2回】 2016年3月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
山田吉彦

“南シナ海は、20兆円の貿易圏である。”
今、中国が狙っているもの

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テレビ、新聞で連日報道されている「南シナ海問題」。いったい何が起こっていて、何が問題なのかを「経済」の視点からも見ていきましょう。「海と経済」の第一人者であり、新刊『完全図解 海から見た世界経済』の著者である山田氏に聞いてみました。

南シナ海で今、
何が起こっているのか?

 2015年、中国の習近平国家主席は、「南シナ海の島々は古代から中国の領土だ。主権を守るのは中国政府が果たすべき責務である」と述べています。また、中国軍の幹部は、「南シナ海は、2000年以上の昔から中華民族が漁業を営み生活してきた中国の海である」と主張しています。

習主席は、就任以来、海洋進出を続けていますが、周辺国の中国への反発は高まる一方です。

 2015年、中国は、南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島海域に7つの人工島を建設しました。このことは、フィリピンやベトナムなど周辺国に脅威を与えているだけではなく、自由航行を脅かすものとしてアメリカや日本も警戒しています。

 オバマ大統領は、2015年9月に行われた米中首脳会談において、南シナ海における国際法の順守と航行の自由の確保を習主席に求めましたが、彼は「自国の固有の領土である」と一蹴しました。

 そこでアメリカは、国際法の順守を中国に求めるために、アメリカ第七艦隊所属のイージス駆逐艦「USSラッセン」を派遣します。そして、中国が造成した人工島周辺を哨戒しました。国連海洋法条約では、「通航は、沿岸国の平和、秩序または安全を害しない限り、無害とされる」と定めています。無害通航権といわれるもので、仮に領海であっても中国はアメリカ軍艦の航行を妨げることはできません。

 しかし中国は、「アメリカの行為は、沿岸国の平和に脅威を与えるものであり無害通航を逸脱している」と主張しています。

独自の領海線を主張する中国

 複数の国が管轄権の主張をしている海域内に強引に人工島を作ることは、「力による現状の変更」であり許されません。中国は、南シナ海を包み込むように「九段線」という線引きを行い、その内側を中国の領海であると主張しています。下記の図を見て下さい。

中国独自の領海線、「九段線」

 この結果、東南アジア諸国との緊張が高まっています。

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本連載は、現代の世界情勢、および経済を「海」という視点から見るものです。
世界の「海」の海洋資源、海運、水産などの情況を知れば、
世界経済の流れがのみ込めるとともに、地球の未来を予測することも可能です。
海洋学部教授であり、経済学の博士号を持っている山田吉彦氏が解説します。
 

「海から見た世界経済」

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