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超ロジカル思考 発想トレーニング

コトラーは企業と顧客の関係を根本から変えた

高野研一 [コーン・フェリー・ヘイグループ 代表取締役社長]
【第6回】 2016年3月24日
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Photo:ZUMAPRESS/Aflo

 これまで紹介した天才たちは、いずれも日本および米国の経営者たちだ。情報革命によってビジネスの環境が大きく変わり行く中で、これまで無かったビジネスモデルを生み出し、勝ち上がってきた人物ばかりだ。

 今回は少し視点を変えて、マーケティングの大御所であるフィリップ・コトラーを取り上げたい。マーケティングとはビジネスにおいて重要なモノの見方を提供してきた学問だ。しかも、時代の流れに合わせて、マーケティング理論自体のモノの見方も変わってきている。コトラーが「近代マーケティングの父」「マーケティングの神様」と呼ばれているのは、こうした学問自体の進化をリードしてきたからである。

サミュエルソンの問いに
コトラーはどう答えたか?

 コトラーは元々シカゴ大学で経済学を学び、その後MITに行き、経済学の博士課程を修了している。その時の審査で面接官になったのが、「近代経済学の父」と呼ばれたポール・サミュエルソンだった。

 サミュエルソンはノーベル経済学賞を受賞しており、経済学を「社会科学の女王」とまで呼ばれる地位に押し上げた人物だ。サミュエルソン自身がハーバード大学で経済学博士を取った時の話だ。審査委員の3人の高名な教授が、面接終了後に顔を見合わせて、「自分たちはサミュエルソンから合格点をもらえたのだろうか」と言ったそうだ。

 こうした達人サミュエルソンが、コトラーに対して面接の場で次のような質問を投げかけた。

 「マルクスの労働価値説についてどう思うか?」

 ここではこれをエクササイズの題材にするのはやめておこう。その方が読者のためであり、私のためでもある。 

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高野研一[コーン・フェリー・ヘイグループ 代表取締役社長]

たかの・けんいち/神戸大学経済学部、ロンドン・スクールズ・オブ・エコノミクス(MSc)、シカゴ大学ビジネススクール(MBA)卒。大手銀行でファンドマネジャーを経験した後、コンサルタントに転じ、マーサー・ジャパン取締役等などを経て現職。『超ロジカル思考』(日本経済新聞社)、『ビジネスリーダーの強化書』(日本経団連出版)、『勝ちグセで企業は強くなる』『グループ経営時代の人材マネジメント』(ともに東洋経済新報社)など著書多数。


超ロジカル思考 発想トレーニング

変化が激しく、先が見えない世界でビジネスを行う場合、ロジカルに最適解を求めようとしても出てこないことが往々にしてある。そうした「正解のない世界」を勝ち残ってきたビジネスの天才たちは、どのような能力を持っているのか。我々がロジックを超えた直観力を身につけるには、どうすればいいのか。

「超ロジカル思考 発想トレーニング」

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