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野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む

2.5兆円もかかる国庫負担率引き上げの理由とは?
不透明なことが多すぎる公的年金制度

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第79回】 2010年7月24日
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 国民年金の保険料未納の尻ぬぐいは、被用者年金が過大な負担を負うことにより行なわれていると前回まで述べてきた。以下では、このことを、別の面から見ることにしよう。すなわち、厚生年金について、保険料と受給の両面で基礎年金と報酬比例部分の比率を計算し、対応がつけられるかどうかを調べることとする。

基礎年金は保険料の43.5%

 まず最初に、保険料についての計算を行なう。基礎年金の保険料は月額1万4660円である。厚生年金の加入者は、配偶者の部分も合わせて保険料を支払っているとみなされているので、2人分として計算すれば、月額2万9320円となる。

 一方、厚生年金保険料は、月収の15.704%だ。標準的な世帯の標準報酬の月額は、42.9万円である(*1)。したがって、保険料は6.74万円になる。保険料での基礎年金の比率は、2.93/6.74=43.5%だ。

 報酬比例部分の保険料は、6.74-2.93=3.81万円ということになる。保険料総額中の比率は56.5%である。

 以上の結果を、【図表1】に示す。

*1 平成20年度男子被保険者の平均的な標準報酬額(賞与を含む、月額換算)の実績見込み(「平成21年財政検証結果レポート―「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し(詳細版)」の表3-8-6より。なお、雇用主負担分も合わせて計算している。これは、雇用主負担分も賃金の調整を通じて結局は本人が負担していると考えることができるからである。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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