これは、「勇気」の問題

 「もっといろんな角度から分析し、もっと議論を尽くすべきだ」

 そんなご意見もよく耳にします。しかし、研修現場などではいくらたっぷり時間を与えても、結局は「何を判断基準にするかだよね」「何を重要と定義するかだよね」という会話に収束していきます。

 そして最終的には、先ほどのビジネス数学的な方法論に近い行為が始まるのです。

 立派なマーケティング理論をこねくり回したり、「う〜ん」と悩み続けて時間が経過するくらいなら、すぐに白黒はっきりつけて、誰が見ても合理的な選択をすればいいのです。

「もっといろんな角度から分析し、もっと議論を尽くすべきだ」は、決める勇気がない人の単なる言い訳です。

 数字は、問答無用で「差」をつけることができる唯一の言語。だから、数字を使って考える人ほど、すぐに決めることができるのです。

 数字を使える人ほど、決められる。
 数字を使えない人ほど、決められない。

 もしあなたが後者なら、いま必要なのは数学の難しい知識ではなく、ほんの少しの「勇気」だけなのかもしれません。