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岸博幸のクリエイティブ国富論

ヤフー・グーグル提携を独禁法上“問題なし”とする日本の危うい感覚と二つの重要な論点

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第99回】 2010年7月30日
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 ヤフー・ジャパンがグーグルとの提携を発表した。この提携をどう評価すべきであろうか。私は、二つの重要な論点があると考えている。

グーグルの日本支配

 発表によると、ヤフー・ジャパンは、年内にも検索サービスの基本技術である検索エンジンをこれまでの米国ヤフー製からグーグル製に切り替え、同時に、検索サービスと連動したネット広告(検索連動広告)のシステムについてもグーグル製を採用するようである。

 検索サービスにおけるグーグルのシェアは、米国で65%、欧州の主要国では、75~80%台となっている。ところが、日本の検索サービスのシェアは、これまでヤフーが53%、グーグルが37%であった。グーグルは先進国の検索サービス市場のうち日本では苦戦していたのである。

 しかし、今回の提携により、日本の検索サービスの90%がグーグルの技術に支配されることになる。検索は、ネット上の情報流通を牛耳るプラットフォーム・レイヤーの中核となるサービスであることを考えると、欧米と同様に、日本のネットのプラットフォーム・レイヤーも事実上グーグルに支配されることになるのである。

 かつ、ネット広告についてもそれと同じ状況になる。ネット広告は大別して、検索連動広告、ディスプレイ広告(バナー広告など)、その他(携帯広告)の3種類に分けられるが、広告単価などの点から、収益性が高いのは検索連動広告である。日本でもその市場がグーグルに席巻されるのである。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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