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課長は労働法をこう使え!
【第11回】 2016年4月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
神内伸浩 [弁護士]

新入社員に「絶対してはいけないこと」――「課長が負けた裁判」に学ぶマネジメント術(4)

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パワハラ、セクハラ、ソーハラ、マタハラ……。昨今は、これまであまり問題視されてこなかったコミュニケーションにも「ハラスメント」のレッテルが貼られるようになりました。課長は、どうすれば労働問題に巻き込まれずに日々のマネジメントに注力できるのか? 国内企業と外資系企業の人事部でサラリーマン経験がある労働問題解決の第一人者が、事例とともに実践的な「法律の使い方」をお伝えします。

海上自衛隊事件(東京高裁 平成26年4月23日判決)

先輩自衛官Bはいじめの常習犯でした。自殺した自衛官Aへ行われたいじめは、平成16年春頃から同年10月頃まで続きました。

10回以上にわたって、平手や拳で顔や頭を殴打し、蹴る。さらには関節技を掛ける。エアガンで撃つ。8月から10月頃にはアダルトビデオの売買代金名目で9万円ほど恐喝する。そんな執拗ないじめが半年にわたり続きました。

Aは生前、同僚にいじめ被害の内容を話していました。自殺1ヵ月前からは、自殺実行をほのめかす発言を繰り返していました。その報告を、上司である班長が聞いていたのです。しかし上司らは、いじめ問題についてとくに対策をとりませんでした。

Aの遺族は、Bと国を訴えました。争点は、(1)上司らがいじめの事実を知っていたか」、(2)「上司らが自殺可能性を予見できたかどうか」の2点。(1)は認められましたが、(2)は否定されたため高裁へ。

そして高裁では(2)も認められ、最終的に、国は7300万円の支払いを命じられました。

この事件から課長が学ぶべきこと(写真はイメージです)



また、この事件では、Aの職場において、Aの自殺後にいじめに関するアンケート調査を実施していながら、国がその存在を隠していたことについても争点となりました。高裁において当時の担当者の隠蔽工作が認められたため、世間の注目を集めたのです。

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神内伸浩 [弁護士]

(かみうち・のぶひろ)労働問題専門の弁護士(使用者側)。1994年慶応大学文学部史学科卒。コナミ株式会社およびサン・マイクロシステムズ株式会社において、いずれも人事部に在籍。社会保険労務士試験、衛生管理者試験、ビジネスキャリア制度(人事・労務)試験に相次いで一発合格。2004年司法試験合格。労働問題を得意とする高井・岡芹法律事務所で経験を積んだ後、11年に独立、14年に神内法律事務所開設。民間企業人事部で約8年間勤務という希有な経歴を活かし、法律と現場経験を熟知したアドバイスに定評がある。従業員300人超の民間企業の社内弁護士(非常勤)としての顔も持っており、現場の「課長」の実態、最新の労働問題にも詳しい。
『労政時報』や『労務事情』など人事労務の専門誌に数多くの寄稿があり、労働関係セミナーも多数手掛ける。共著に『管理職トラブル対策の実務と法 労働専門弁護士が教示する実践ノウハウ』(民事法研究会)、『65歳雇用時代の中・高年齢層処遇の実務』『新版 新・労働法実務相談(第2版)』(ともに労務行政研究所)がある。単著は本書が初となる。


課長は労働法をこう使え!

パワハラ、セクハラ、ソーハラ、マタハラ……。昨今は、これまであまり問題視されてこなかったコミュニケーションにも「ハラスメント」のレッテルが貼られるようになりました。課長にとって、おそらく過去最大レベルに労働法の知識が求められる時代だと言えるでしょう。そこで本連載では、国内企業と外資系企業の人事部でサラリーマン経験がある労働問題解決の第一人者が、事例とともに実践的な「法律の使い方」をお伝えします。

「課長は労働法をこう使え!」

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