ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
週刊ダイヤモンド 企業特集

【企業特集】都市再生機構(UR)
“絵に描いた餅”の民営化論議
暗雲垂れ込める“再生”の行方

2010年8月3日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

日本住宅公団をルーツとする都市再生機構(UR)。管理する既存の賃貸住宅は約76万戸にも上る「世界一の大家」であり、民間では困難な都市開発整備を担う“官”主導の不動産開発業者でもある。天下りの多さや関係法人との不透明な取引が指摘されているが、真の“再生”への道は遠い。(「週刊ダイヤモンド」編集部 山本猛嗣)

旧態依然の“伏魔殿”の実態
不透明な契約や天下り
いまなお根強いOB人脈

 都市再生機構の略称はUR、アーバンルネッサンスの略であり、パンフレットには「街に、ルネッサンス」という宣伝文句が躍る。

 しかし、その実態はどうか。あるURのOBは「かつての街づくり(ニュータウン)事業は公共事業的な意味合いも強く、国土交通省からの天下りや関係法人へのOB再就職は当然のことながら、政治家の横やりや建設業者の談合、地上げ情報に絡む賄賂など利権の巣窟のようなありさまだった。組織も巨大で、職員でさえも実態がよくつかめない」と打ち明ける。

 詳細は後述するが、複雑で不透明な組織運営に加え、URを中心に、かつては政、官、民の利権の構造が構築されていた。URが「伏魔殿」といわれるゆえんだ。

 URは、政府や省庁の事業を分離して設けられた独立行政法人の一つ。独立行政法人は本来、公共性の高い事業を効率的に行うための組織だが、官僚の天下りや、関係法人との不透明な契約の多さが指摘されている。URはその代表格というべき存在だ。4月の行政刷新会議による事業仕分けの対象となったのは、記憶に新しい。

 上の図を見てもらいたい。URは、日本住宅公団をルーツとし、5つの公団が統合を繰り返して、2004年に設立された。事業は賃貸住宅を中心に、都市再生(既成の市街地の整備・改善業務)、ニュータウン(市街地の整備業務)の3部門からなる。

 総収益約1兆円。総資産約15兆円と「大手町の大家さん」である三菱地所の3倍以上、職員数も約4000人と大京の約3倍にも上る。団地などの賃貸住宅では、比類なき約76万戸という「世界一の大家さん」である。

次のページ>> 抜きんでる天下り数
1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年1月21日号 定価710円(税込)

特集 天才・奇才のつくり方 お受験・英才教育の真実

お受験・英才教育の真実

【特集2】
村田 vs TDK
真逆のスマホ戦略の成否

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事


週刊ダイヤモンド 企業特集

経済環境が激変するなか、企業が成長を続けるためには、従来の価値観に捉われない長期的な視点による経営戦略が必要だ。経営課題を克服して自社の強みを伸ばすための秘訣を、大企業の経営戦略から紐解いてみよう。

「週刊ダイヤモンド 企業特集」

⇒バックナンバー一覧