だが、よく考えてみると、この問題は中年世代だけが引き起こすものではない。若者同士でも、アカウントを教えたくない相手はいるし、実際に隠している人も存在する。先ほど紹介した40歳のインスタ利用者も、「逆に若者が俺のインスタにどんどん入ってきてもイヤだ。だから、どっちもどっちではないか」と言っていた。

 他にも、中年世代からはこんな声があった。

「自分の世代からすると、とにかくすぐにSNSで繋がろうとする若者が多くて、イヤになる時期もあった。中途半端な知り合いをフォローしたくない」(39歳/男性)

「仕事で知り合った他社の若手社員。商談を終えて別れたら、フェイスブックのアカウントを調べて友達申請してきた。一度会っただけなのに……。年上が若者のコミュニティに踏み込むだけでなく、その逆で困ることもたくさんあると思う」(35歳/男性)

 結局のところ、中年世代が若者文化に踏み込むことの問題ではなく、SNSという世界の中で、個人個人がどうやって関係性を築いていくのか。リアルだけの友達、SNSだけの友達、両方における友達。距離感を意識しつつ、“聖域”を守りつつ使うことができるか。それが最大のポイントなのだろう。

 そういうケースのわかりやすいモデルとして、若者が気を遣いがちな「おじさんおばさん」が槍玉にあげられた。そんなところではないだろうか。

増え始めた「インスタ中年」が
意識しておきたい距離の取り方

 インスタを中心として、私たち中年世代が若者文化とどんな距離感を取るべきか考えてみた。しかし実際の声を聞くと、「年代間における距離の取り方」というよりも、「SNSでの人との距離の取り方」という根本的な論点で議論することが正しい気がした。

 そもそも、SNS自体がまだ歴史の浅い文化だ。中年世代はもちろん、若者たちも、SNSでの距離の取り方を試行錯誤している時期なのではないか。ただしそのフィールドにおいて、「若者が気を遣う存在=中年世代」の振る舞いは、確実にキーとなる。

 ツイッターやフェイスブックに続くインスタが、今後どのような形で普及していくか。ユーザーは適度な距離、適度なコミュニティを保ちつつ楽しむことができるのか。中年世代で、これからインスタを始める人は多いはず。そのときはぜひ、「距離感」を意識してみてほしい。