ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む

納付率が低下するとなぜか収支が改善する!?
偽装だらけの国民年金の正体

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第81回】 2010年8月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 前回まで国民年金の納付率について検討してきた。では、それを考慮した場合、国民年金財政の将来見通しはどうなるのだろうか?

 これまで国民年金の納付率について検討してきた。

 厚生労働省が8月5日に発表したところによると、2009年度における国民年金保険料の納付率は、08年度より2.1ポイント低下して59.98%となり、ついに6割を割り込んで50%台に突入した。これは、4年連続の低下である。

 年齢別の納付率を見ると、20~24歳は49.0%、25~29歳は47.1%と、すでに40%台になっている。

 このような状況を考慮した場合、国民年金財政の将来見通しはどうなるのだろうか?

 2009年に公表された「財政検証」において、国民年金の財政見通しとして、【図表1】のような結果が示されている。

 この数字を見る限り、国民年金の財政は、未納問題にもかかわらず、健全である。単年度収支は、2060年代まで黒字が続く。現在10兆円程度である積立金は、60年代には40兆円を超す水準になる。

 つまり、(厚生年金と同じく)国民年金も「100年安心年金」の名にふさわしい健全な財政状況を続けることになっているのである。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
消費税だけでは財政再建できない!「日本を破滅から救うための経済学」

経済論争の最大のトピック=デフレ問題から、赤字国債発行の問題点、年金の破綻、消費税増税、円安誘導の為替政策まで、主要論点を網羅。いずれのテーマでも、通説と一線を画す内容に驚愕すること必至。綿密なデータの読み込みに裏付けられた、野口教授のマクロ経済政策論!1680円(税込)

話題の記事

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

------------最新経済データがすぐわかる!------------
『野口悠紀雄 使える!「経済データ」への道』


野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む

突如として世界中を襲った経済危機。激流に翻弄される日本経済はどうなってしまうのか? なすべき対策はあるのか? 100年に1度の未曾有の事態を冷静に分析し、処方箋を提示する野口悠紀雄の緊急連載!

「野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む」

⇒バックナンバー一覧