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あれか、これか ― 「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門
【第15回】 2016年5月11日
著者・コラム紹介バックナンバー
野口真人 [プルータス・コンサルティング代表取締役社長/企業価値評価のスペシャリスト]

金利はあなたが決めてください
リスクプレミアムの考え方

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モノの価値を左右する意外な存在、それは「金利」だ。
では、ファイナンスの世界では、金利はどのようにして決まるのだろうか?

発売から1週間半で早くも重版決定の新刊『あれか、これか――「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門』のなかから、その考え方を紹介していこう。

金利は「あなた」が決めてください

前回見たとおり、金利とはリスクへの見返りである。リスクが高い投資ほど、金利が高くなる。裏を返せば、金利が高い取引というのは、リスクが高いとも言える。

一般に、お金が返せなくなる事態、すなわち債務不履行(デフォルト)の可能性を信用リスクと呼ぶ。キャッシュを手放すことで生まれる何よりも典型的なデメリットは、この信用リスクである。

ここから言えるのは、金利は本来、お金を出す側=投資家が決めるものだということだ。ある投資をするとき、投資家は「これくらいのリスクがあるということは、これくらいの利子をもらわないと割に合わない」と考える。こうして、その見返りを実現できるような金利が決まるわけだ。

 「でも、私は投資家じゃないからなあ……」などと思っていてはいけない。あなたも銀行にお金を預けている以上、銀行にお金を投資しているはずだ。多くの人が「銀行が金利を決めている」と考えているが、ファイナンスの原則に従えば、銀行の預金金利についても、本来は各銀行の信用リスクを勘案して預金者が決めるべきなのである。

これだけの説明だと、「そんなこと言っても、我々が銀行に金利を変えさせることなんてできないですよ!」という人がほとんどだろう。金利を決めるのは借り手ではなく貸し手であるということについて、例を見ながら考えてみよう。

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野口真人(のぐち・まひと) [プルータス・コンサルティング代表取締役社長/企業価値評価のスペシャリスト]

1984年、京都大学経済学部卒業後、富士銀行(現みずほ銀行)に入行。1989年、JPモルガン・チェース銀行を経て、ゴールドマン・サックス証券の外国為替部部長に就任。「ユーロマネー」誌の顧客投票において3年連続「最優秀デリバティブセールス」に選ばれる。

2004年、企業価値評価の専門機関であるプルータス・コンサルティングを設立。年間500件以上の評価を手がける日本最大の企業価値評価機関に育てる。2014年・2015年上期M&Aアドバイザリーランキングでは、独立系機関として最高位を獲得するなど、業界からの評価も高い。これまでの評価実績件数は2500件以上にものぼる。カネボウ事件の鑑定人、ソフトバンクとイー・アクセスの統合、カルチュア・コンビニエンス・クラブのMBO、トヨタ自動車の優先株式の公正価値評価など、市場の注目を集めた案件も多数。

また、グロービス経営大学院で10年以上にわたり「ファイナンス基礎」講座の教鞭をとるほか、ソフトバンクユニバーシティでも講義を担当。目からウロコの事例を交えたわかりやすい語り口に定評がある。

著書に『私はいくら?』(サンマーク出版)、『お金はサルを進化させたか』『パンダをいくらで買いますか?』(日経BP社)、『ストック・オプション会計と評価の実務』(共著、税務研究会出版局)、『企業価値評価の実務Q&A』(共著、中央経済社)など。


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