今年に入り、核実験やミサイルの発射実験を立て続けに行った北朝鮮。国際社会から非難されても、独自路線を突き進むのはなぜか?

 小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』では、毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている。北朝鮮はなぜこんな振る舞いをするのか? この国の成り立ちなどを本誌より紹介する。

3代にわたる権力の世襲

北朝鮮は、非難されてもなぜ独自路線を突き進むのか正式名は朝鮮民主主義人民共和国。朝鮮半島の北半分が北朝鮮だ(※イメージ写真)

 北朝鮮は1月に4度目となる核実験を、2月には「人工衛星の打ち上げ」と称して長距離弾道ミサイルの発射実験を強行した。国際社会は非難を強めているが、北朝鮮は今後も核実験やミサイルの発射実験を続ける意思を表明。北朝鮮はなぜ、こんな振る舞いを続けるのだろうか。

 北朝鮮は2006年に初めて核実験をし、さらに09年、13年にも実施。今回は「初の水素爆弾(水爆)実験を成功させた」と発表した。実際には、北朝鮮には水爆をつくる技術力はないとみられるが、爆発力を飛躍的に高めた「ブースト型核分裂爆弾」(強化原爆)を使った可能性は残されている。

 北朝鮮は現在、種類の違う核爆弾十数個を持っているとみられている。度重なる実験の目的は、さらに技術を高めて核弾頭を小型・軽量化して、ミサイルに搭載できるようにすることだ。また、弾道ミサイルの発射実験を続けるのは、アメリカ(米)の本土まで届くように飛距離を伸ばすためだ。そこに小型・軽量化した核弾頭を載せられれば、アメリカに大きな脅威を与えられると北朝鮮は考えている。

 なぜ、アメリカに矛先が向くのか。それは、北朝鮮という国の成り立ちと大きくかかわっている。

北朝鮮とどう付き合っていくべきか

 かつて日本に植民地支配されていた朝鮮半島は、日本の敗戦で1945年に解放されたが、当時のアメリカとソ連(現ロシアなど)の対立を受け、北緯38度線から北側をソ連軍、南側を米軍が占領。南側で48年8月に韓国が建国されると、北側では植民地時代に日本に抵抗する活動をしていた故・金日成氏を中心に、9月に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の樹立を宣言した。