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はじめての問題解決力トレーニング
【第4回】 2016年5月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
斎藤 顕一,竹内 さと子

数字の羅列からは読み取れないことでも、
チャート化すると、理解がしやすくなる

問題解決では、事実ベースで理解することが大事だということは、おわかりいただけたと思います。では、事実ベースを問題発見につなげていくためには、どうしたらよいのでしょうか? マッキンゼーの人材育成責任者として実践し、BBT大学の講座で人気の著者が、普通のビジネスパーソン向けに書いた『はじめての問題解決力トレーニング』から、エッセンスをご紹介します。

 50代になって以降、体重増加に頭を悩ませている顕太さんのケースで考えてみましょう。

 まず、重要な事実である体重の推移を、図表5の上のように数表として用意したとします。実は、こうした数字の羅列は、チャートを描いて考えることに慣れていない企業や組織でよく見られるものです。

 この数表を見て、どんな意味合いがあるのか、ぱっと見出せるでしょうか?難しいですよね。特に大きな数字や異常値などには気がつくかもしれませんが、それらの数字が意味しているものを捉えることは、とても難しいはずです。

 では、同じく図表5の下のようにチャートにすればどうですか?ピークから大きく下げて、その後じわじわ上がってきていることが一目でわかるはずです。これらの数字から、“2012年に大きく下がったのはなぜだろう”とか、“その後また増加傾向にあるけれど、どうして維持できないのかな”などと、疑問を持つことができます。

 このように、チャートを描くとは、“事実データをビジュアル化して考える”ことであり、そこから疑問が生まれてきます。そして、疑問を持てば、この先さらにどのような数字を集めるべきかを考え出すこともできるようになります。

 ここで大切なのは、“チャートから何を読み取るのか”ということです。そのまま素直に読み取れば、「顕太さんの体重は2012年に最大値の81kg強に達したものの、ダイエットを行い半年間で約kgの減量に成功した。その後リバウンドが起こり、2016年の1月には78.4kgまで増加させてしまった」ということになります。

 起こったことを時系列でそのまま説明したこの文章を読んで、「ダイエットに成功してもリバウンドは起こるものなのだ」と解釈する人もいるでしょう。あるいは、「その気になれば半年で10%強の減量は可能なんだ」と感じる人がいるかもしれません。

 しかし、そうした“部分”にだけ焦点を当てると、往々にして大きな流れを捉えられずに、チャートの示す重要なメッセージを見落とすことがあります。それを避けるためには、図表6のようにチャートから読み取れる内容や疑問点をチャート内の該当する箇所の上に簡潔なメッセージとして表現し、一目で理解できるようにしておきます。

 このように、チャートから読み取れることをしっかりと書いておけば、いくつかのチャートを並べてメッセージを読むだけで、全体的にどのようなことが起こっているのかが、容易に判断できるようになります。

 つまり、数字の羅列を見るのではなく、チャート化して考えることで、集めた事実を効果的かつ効率的に理解できるようになるのです。

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はじめての問題解決力トレーニング

これまでの問題解決本は難しすぎた。マッキンゼーの人材育成責任者として、ビジネス・ブレークスルー大学/大学院の人気講座で教える著者がつくった普通のビジネスパーソンのためのわかりやすい問題解決法のエッセンスを紹介。

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