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公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

キャッシュフローは「事実」を表す鏡
超優良企業・花王の資金戦略を丸裸にする!

高田直芳 [公認会計士]
【第40回】 2010年8月27日
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 今回は「キャッシュフロー計算書」という看板を掲げた「連載40回記念キモ試し大会」へのご招待である。本コラムの後半では、大仕掛けの図表を4つ用意した。使いようによっては「粉飾決算」を暴く黒魔術への転用も可能なので、その取り扱いには十分、注意していただきたい。

 キャッシュフローと聞いただけで足がすくむ人は、入り口から退散してもらっても構わない。「これでも社内公用語は英語だぞ」と自慢されても、そんなキモなど、ちいせぇちいせぇ。それほどの恐怖を味わっていただくことにしよう。

 さて、冒頭で紹介したキャッシュフロー計算書は、企業が作成する財務諸表(決算書)の1つである。ただし、すべての企業に作成義務があるわけではない。非上場の、特に中小企業などには作成負担が重い財務諸表なので、会社法では免除されている(会社計算規則59条、61条)。

 ところが、国際会計基準IFRSなどを意識した時代の要請というべきか、やたらと「キャッシュフロー経営を目指そう!」というスローガンを掲げる企業が多くなった。会計システムや情報システムでも中途半端にキャッシュフロー計算書を作成する機能が搭載されており、それがまた「キャッシュフロー分析」の本質を理解していないシステム屋が開発しているものだから、奇妙な分析結果が跳梁跋扈するようになっている。

 キャッシュフローを舐めてもらっては困る、というのが、筆者から突きつける「キモ試し大会招待状」の売り言葉である。

花王の連結キャッシュフロー計算書から見る
3つの「なぜ」

 最初に、トイレタリー関連では圧倒的な存在感を示す花王の連結キャッシュフロー計算書を〔図表 1〕に示す。これを見て、「もののけ」へのアレルギー体質があるかどうかを見極めるところから始めていただきたい。

 〔図表 1〕は説明のしやすさに配慮して、筆者のほうで若干の補正を施している。〔図表 1〕の表示単位は「百万円」だが、本文での説明は「億円」で進めていく。

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高田直芳 [公認会計士]

1959年生まれ。栃木県在住。都市銀行勤務を経て92年に公認会計士2次試験合格。09年12月〜13年10月まで公認会計士試験委員(原価計算&管理会計論担当)。「高田直芳の実践会計講座」シリーズをはじめ、経営分析や管理会計に関する著書多数。ホームページ「会計雑学講座」では原価計算ソフトの無償公開を行なう。

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公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

大不況により、減収減益や倒産に直面する企業が急増しています。この連載では、あらゆる業界の上場企業を例にとり、どこにもないファイナンス分析の手法を用いて、苦境を克服するための経営戦略を徹底解説します。

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