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家を買う!妻とのケンカを乗りこえて

夫婦ゲンカの末に最良の選択
カギを握るのは「信頼できる他人」

太田三津子 [不動産ジャーナリスト]
【最終回】 2010年9月1日
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物件をめぐってバトル勃発!

 「夫婦ゲンカは犬も食わない」というが、「犬も食わない」夫婦ゲンカを、あえて友人知人に「食ってもらう」こともときには必要である。

 できれば、不動産の知識のある人がいい。ふたりでいくら話しても、知識不足が原因で解決の道が見つからないまま話が堂々巡りしたり、無意味な意地の張り合いで無駄な時間を費やすことがとても多いからだ。少なくとも第三者がその場にいれば、冷静に話し合える。

 山田進さん(仮名、36歳、公務員)と澄子さん(仮名、35歳、公務員)は職場結婚。3歳の子どもがいる。今は勤務地が違うので、「双方の職場からドア・ツー・ドアで1時間以内、予算は3500万円くらいまで。間取りは3LDKで広さは70平米以上」という条件でマイホームを探していた。

 「条件に合う物件は20件くらいありました。最終的に2物件に絞り込んだのですが、そこからバトルが始まった」と進さん。

 進さんは利便性を重視し、最寄り駅徒歩5分で総戸数35戸、外観も中身もごくシンプルな中堅ディベロッパーの物件が気に入った。一方、澄子さんは大手ディベロッパーの大規模開発物件。最寄り駅から徒歩17分(パンフレット表示)がネックだが、豪華な付帯施設やサービスに魅了された様子。

ブランドとオマケに弱い妻

 「妻の推す物件はパンフレットも豪華だし、ロビーもホテルのようで中庭には噴水もある。スパやキッズルームまであります。最初は僕も目がくらんだのですが、工場跡地の開発でまわりには店もないし、実際に歩いてみたら坂道なので駅まで20分はかかる。近くにバス停もありますが、便が少なくて毎日の通勤を考えるときついな、と」。

 しかし、澄子さんは納得しない。「妻はブランド好きでオマケにも弱いタイプ。『大手の物件だから安心だし、いろいろな施設やサービスがついているからお得よ』と言い張るんですよ」

 どこまでいっても平行線の話し合いにうんざりした進さん、「もう、いい。家を買うのはやめた!」と一喝。澄子さんも切れて「あなたがこんなわからず屋だったとは思わなかったわよ。車選びだって失敗したくせに!」、「それとこれとは話が違うだろう」と、事態は悪化するばかり。

 「そんなとき、偶然、大手不動産会社に入ったゼミの先輩、Kさんに会ったんです。今はマンション管理会社に出向していると聞き、さっそく話を聞いてもらいました。僕らが買おうとしている物件は先輩の会社の物件ではなかったので、ちょっと悪いなとは思ったけど……」

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太田三津子 [不動産ジャーナリスト]

1978年青山学院大学卒。「住宅画報」編集、「住宅新報」記者を経て1995年フリーライターとして独立、専門誌や経済誌を中心に住宅・不動産関係の記事を執筆するかたわら、雑誌や書籍の企画編集、座談会の司会やコーディネーターとしても活躍。共著に『次世代ビルの条件』(鹿島出版会)。日本不動産ジャーナリスト会議会員。


家を買う!妻とのケンカを乗りこえて

マイホームを賢く購入するためのマニュアル本はたくさんあるが、現実はなかなかうまくいかない。マイホーム取得には夫婦の合意が不可欠だからだ。家探しから契約、入居、買い替えの過程で、多くの夫婦が一発即発の危機を体験している。「女房は一体なにを考えているのか」とぼやく男性のために、実例を交えながら夫婦の危機回避の心得を紹介しよう。

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