企業が寄附や人材派遣を通じて、地方公共団体の地方創生の取り組みを応援する「企業版ふるさと納税」。その仕組みが企業と地方公共団体の双方に浸透してきたこともあり、寄附実績は増加し続けている。地方公共団体によるプロジェクトも多様で、都会から地方への資金や人材の新たな流れが生み出されている。

表彰状を授与した「企業版ふるさと納税に係る大臣表彰式」の受賞者表彰状を授与された「企業版ふるさと納税に係る大臣表彰式」の受賞者

前年度比で約1.5倍
約341億円の寄附実績

 2023(令和5)年度の「企業版ふるさと納税に係る大臣表彰式」が、2月13日、中央合同庁舎第8号館で開催された。内閣府では、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の活用促進を図ることを目的に、18年度から毎年度、その制度の活用において特に顕著な功績を上げ、他の模範となると認められる活動を行った企業や地方公共団体を、内閣府特命担当大臣(地方創生担当)が表彰している。23年度は、選考委員による審査を経て、企業部門で三つの企業、地方公共団体部門で五つの市町村が受賞団体に選ばれた。

寄附実績が1.5倍に増加した「企業版ふるさと納税」。納税による「地域貢献」と「税の軽減」とはどういうことか表彰式であいさつし、受賞者をたたえる自見はなこ・内閣府特命担当大臣

 表彰式のあいさつに立った、自見(じみ)はなこ・内閣府特命担当大臣(地方創生担当)は、「令和4年度の寄附金額が前年度比で約1.5倍、約341億円になるなど、企業版ふるさと納税は全国的に活用が進んでいます。内閣府としては、受賞団体の取り組みの横展開を通じて、企業版ふるさと納税を活用した地方創生が全国各地で進展するよう、今後も積極的に支援をしていきたい」と、制度が浸透している手応えと抱負を語った。

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