ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
中学版・受験の真相

かつては高校入試だった”人生の分岐点”が早まり、
親が中学受験を真剣に考える時代に突入!

安田賢治 [大学通信常務取締役]
【第1回】 2010年9月3日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 なぜ、今、中学受験なのだろうか。1999年から首都圏の中学受験者は増え続けている。2007年には5万人を超えた。また、小学校6年生の受験率もアップしている。1999年には首都圏で11%だった受験率が今や20%近くで首都圏の小学校6年生の5人に1人が私立中受験をしていることになり、東京に限ればもっと高い。東京の小学校の中には2月1日の東京の中学入試解禁日にクラスの半数が休むところがあるぐらいだ。さすがに、今年は不況から首都圏全体では5%ほど受験者は減ったとみられるが、2009年までは一貫して増え続けてきたのだ。

 それほどまでに増えた大きな理由が公教育への不信だ。2002年から始まったゆとり教育に不安を覚えた保護者が、私立中を選んだのが始まりだ。高校入試がない一貫教育校の環境で、のんびりと学生生活を送りながら、しっかりした学力を身につけさせ大学進学に備えたいと考えたのだ。

 いったい私立一貫校進学のメリットはどこにあるのだろうか。

高校入試がないと
これだけのメリットが

 まず第一に挙げられるのが、高校入試がない分、6年間をフルに活用した教育を受けられることだ。進学校では先取り教育を行うところがほとんど。中学2年までに中学校の課程を終え、高校2年までにほぼ高校の課程を終えてしまう。高校3年になると、高校課程の復習と、大学入試に向けての授業になっていく。進度が早くて、なかにはついていけない生徒も出てくる。しかし、学習進度に耐えられる資質の生徒をふるいにかける意味で厳しい中学入試を課しているのだ。

 その一方で進度を守り、全員が分かるまで授業を進める学校もある。教育方針には公立にないバリエーションがある。

 中学入試では希望の学校に合格したら終わりとはならないばかりか、入学後のほうがより重要だ。中学入試では第一志望校に入れなかった不本意入学の子のほうが圧倒的に多い。受験勉強に疲れ、第一志望校に入れなかったショックを引きずらないよう、学校側は入学後、「この学校で頑張るんだ」という気持に切り替えさせる。その点でも6年の長さは重要だ。1年を気持ちの切り替えに費やしたとしても、残りの5年で十分に取り戻せるからだ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

安田賢治[大学通信常務取締役]

56年兵庫県生まれ 早稲田大学政治経済学部卒業後、大学通信入社現在に至る。著書に「中学受験のひみつ」(朝日出版)「笑うに笑えない大学の惨状」(祥伝社)「教育費破産」(祥伝社)がある。


中学版・受験の真相

2010年は26万人。全生徒数に占める割合は7.2%で、この比率は30年前の2.5倍。私立中学の在籍者数である。さらに驚くべき数字がある。東京都における私立中学校への在籍割合は26.2%、実に4人に1人が私立を選んでいるのだ。いまどきの中等教育に、お父さんの経験則はまったく通用しない。子どもの教育に父親として責任を果たす、そのためにはまず中等教育の現実を知る必要がある。大学入試の実績分析を通して中学校・高校を見続けて約30年、学校評価の第一人者が中学受験をズバリ解説します。

「中学版・受験の真相」

⇒バックナンバー一覧