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トヨタとソフトバンクで鍛えた「0」から「1」を生み出す思考法・ゼロイチ
【第6回】 2016年6月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
林要 [GROOVE X代表取締役]

「抜擢される人」と「その他大勢」を分けるのは、
「○○」であるかどうかの一点に尽きる
Pepper元開発リーダーが明かす「0」から「1」を生み出す思考法

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チャンスは自らつかむ──。よく言われることですが、サラリーマンにとっては、必ずしも現実的ではありません。人事権を握るのは上層部。会社という組織に所属する以上、チャンスは与えられるものなのです。では、どうすれば抜擢される存在になることができるのか?トヨタとソフトバンクで世間が注目する「ゼロイチ」のプロジェクトに抜擢されてきた、Pepper元開発リーダー・林要さんは、「○○」であるかどうかに尽きると言います。その理由を、著作『ゼロイチ』から抜粋してご紹介します。

 

「出る杭」だからチャンスが来る

 チャンスは自らつかむ──。
 よく言われることですが、サラリーマンにとっては、必ずしも現実的ではありません。人事権を握るのは上層部。会社という組織に所属する以上、チャンスは与えられるものなのです。

 では、どうすればチャンスを与えてもらえるか?
「出世の方法」とは異なるかもしれませんが、ことゼロイチに関しては、「出る杭」になることだと思っています。「出る杭」になると叩かれることもありますが、だからこそ、タフな存在だと「認知」してもらえるとも言えます。

 この「認知」が重要です。なぜなら、重要なプロジェクトの人事案件が発生したとき、上層部のなかで「認知」されていない人物の名前が候補に挙がることはないからです。当たり前のことですが、「認知」があるから「指名」される可能性が生まれるのです。

 しかも、エリートとしての認知ではなく、「出る杭」としての認知であればこそ、ゼロイチのようなきわどいプロジェクトでは有効。「こういうきわどい仕事は、きわどいヤツが向いてそうだ……」などと思ってもらえる。いわば、「毒をもって毒を制する」という感じで、チャンスが巡ってくるのです。 

 それを僕は、トヨタ時代に痛感しました。
 入社以来、僕はトヨタF1の開発チームに入ることを希望していました。しかし、F1は社内公募制となっており、それを通過しなければならないのですが、残念ながら、僕は応募条件すらクリアすることができずにいました。ネックとなっていたのが、英語です。

 F1の本拠地はドイツ。世界各国からエンジニアが集まりますから、共通語は英語。そのため、TOEICで800点程度を取ることが条件とされていたのです。ところが、英語が大の苦手。当時の点数は、なんと990点満点の248点でした。TOEICは4択問題。鉛筆を転がして当てずっぽうに回答しても、理論上は248点になるわけですから、僕の実力は実質的に0点ということ。まさに、絶望的な状況にあったわけです。

 そんな僕が、どうしてF1への切符を手に入れることができたのか?
 そのきっかけは、LFAにかかわっていたころのある出来事にありました。 

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林要(はやし・かなめ) [GROOVE X代表取締役]

林 要(はやし・かなめ) 1973 年愛知県生まれ。東京都立科学技術大学(現・首都大学東京)に進学し、航空部で「ものづくり」と「空を飛ぶこと」に魅せられる。当時、躍進めざましいソフトバンクの採用試験を受けるも不採用。 東京都立科学技術大学大学院修士課程修了後トヨタに入社し、同社初のスーパーカー「レクサスLFA」の開発プロジェクトを経て、トヨタF1 の開発スタッフに抜擢され渡欧。「ゼロイチ」のアイデアでチームの入賞に貢献する。帰国後、トヨタ本社で量販車開発のマネジメントを担当した際に、社内の多様な部門間の調整をしながら、プロジェクトを前に進めるリーダーシップの重要性を痛感。そのころスタートした孫正義氏の後継者育成機関である「ソフトバンクアカデミア」に参加し、孫氏自身からリーダーシップをたたき込まれる。 その後、孫氏の「人と心を通わせる人型ロボットを普及させる」という強い信念に共感。2012 年、人型ロボットの市販化というゼロイチに挑戦すべくソフトバンクに入社、開発リーダーとして活躍。開発したPepper は、2015 年6 月に一般発売されると毎月1000 台が即完売する人気を博し、ロボットブームの発端となった。 同年9 月、独立のためにソフトバンクを退社。同年11 月にロボット・ベンチャー「GROOVE X」を設立。新世代の家庭向けロボットを実現するため、新たなゼロイチへの挑戦を開始した。


トヨタとソフトバンクで鍛えた「0」から「1」を生み出す思考法・ゼロイチ

「0」から 「1」を生み出す力を日本企業は失っているのではないか? そんな指摘が盛んにされています。一方、多くのビジネスパーソンが、「ゼロイチを実現したい が、どうしたらいいのか?」と悩んでいらっしゃいます。そこで、トヨタで数々のゼロイチにかかわった後、孫正義氏から誘われて「Pepper」の開発リー ダーを務めた林要さんに、『ゼロイチ』という書籍をまとめていただきました。その一部をご紹介しながら、「会社のなかで“新しいコト”を実現するために意 識すべきエッセンス」を考えてまいります。

「トヨタとソフトバンクで鍛えた「0」から「1」を生み出す思考法・ゼロイチ」

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