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トヨタの自工程完結 ウェブ版
【第16回】 2016年6月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
佐々木眞一

「トヨタの自工程完結」ができているか、
気づくことができるシートがあります
「自工程完結」はトヨタに何をもたらしたのか(1)

ここまで、『トヨタの自工程完結』の考え方を活用することのメリットをあれこれあげてきましたが、その結果、トヨタはどう変わったのかをお伝えしたいと思います。

 「自工程完結」の導入から数年も経つと、「自工程完結」という名称を使うかどうかは別にして、仕事の質を改善させるための動きをしている組織と、そうでない組織には、差が出てくるようになっていきました。

 新しい取り組みをやっていない組織は、失敗の数が減らないのです。相変わらず、やり直しを何度もやっている。時間もたくさんかかっていました。また、会議が減っていませんでした。自分たちの業務がどんなふうに走っているのか、よく理解できていないから、すぐに調整会議という名の会議を入れたくなってしまうのだと思います。

 しかし、業務プロセスをしっかり洗い出していれば、必要な担当者同士でしっかりコミュニケーションを交わすことができます。事例にもあったように、前工程と後工程でお互いに仕事を理解し、必要な情報を把握していれば、担当者同士のコミュニケーションで済み、大ざっぱな会議など必要なくなっていくのです。

 「自工程完結」的な取り組みを、より意識してもらうために、いろいろなツールも作り、進化させていきました。

 例えば、社内で「PDCAレベルアップシート」と呼ばれているものも、その一つです。管理者やスタッフに使ってもらっています。

 これは、ある業務において、「自工程完結」の考え方がどのくらいできているかを測るためのチェックシートです。

 「仕事の目的」「仕事の目標」「仕事のアウトプット」「仕事の手順」「仕事の途中で特に重要なタイミング」「判断基準」「仕事を実施するにあたって必要な情報・モノ・人の能力・注意点」「段取りをした後の仕事の進め方」「仕事の振り返り」「知見の蓄積と伝承」という一〇の項目について、それぞれ二~四のチェックリストに答えていく、というもの。

 「仕事の目的」であれば、
□お客さまのニーズをふまえたものになっている
□書類に書いてある
□上司の合意を得ている
□関係者・関係部署の合意を得ている

 といった具合です。それぞれで、どこまで深く意識し、取り組みを進めているか、自己評価してもらうものです。

 

(次回は、6月14日公開予定です)

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佐々木眞一 [トヨタ自動車株式会社 顧問・技監]

1970年3月 北海道大学工学部機械工学科 卒業
1970年4月 トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社
1990年4月 トヨタ モーター マニュファクチャリング UK 株式会社 品質管理部長
1995年1月 トヨタ自動車株式会社 堤工場 品質管理部部長
2001年6月 取締役就任
2003年6月 常務役員就任
2004年6月 トヨタモーターエンジニアリング・マニュファクチャリングヨーロッパ株式会社 取締役社長
2005年6月 専務取締役就任
2005年10月 トヨタモーターヨーロッパ株式会社 取締役社長
2009年6月 取締役副社長就任
2013年6月 相談役・技監就任
2015年11月 著書『現場からオフィスまで、全社で展開する トヨタの自工程完結』上梓
2016年7月 顧問・技監就任


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