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美人のもと

手渡し

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第77回】 2010年9月6日
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 人間は1日に何回、モノをヒトに渡したり、受け取ったりするのだろう。たとえば、買い物。お金を渡したり、おつりを受け取ったり。会社では書類など。友人知人とのモノのやりとり。

 手から手へ。他人との大事な接点である。何かを渡すという行為は大事なコミュニケーションとも言える。

 美人はこの瞬間を大切にしていると思う。何かを渡すとまずこちらの顔を見てほほえむ。そしてモノに視線を移す。こちらにモノを渡すときはまずモノを見て、次に顔を見ながら渡す。軽く頷く人もいる。何気ない一瞬であるが、ここの一瞬を大切にしていると感じる。もっとも大切にしているのは、その瞬間の目の表情だろう。きちんと目を見る。

 ホテルで鍵を受け取る時、空港で搭乗券を受け取る時、レストランでおしぼりを受け取る時、スーパーでお金を払う時……、やはりしっかり相手の目を見て、ほほえんでいる。

 このコミュニケーションは「美人のもと」を増やしているのだと思う。毎日のようにその機会があり、それを活かしているようだ。

 そういう機会を活かしていない人も多くいる。手渡しの瞬間、視線が全然違う方向を見ている。おつりをもらう瞬間、すでに出口を見ている。レストランでおしぼりを受け取る時に向い合っている友人の顔しか見ていない。ホテルでクレジットカードを出すとき、ロビーなどを見ながら渡す。仕事中、パソコンから目を離さず、書類を受け取る。そんな人を見かけることは多くあるはずだ。わざとそうしているかのようにも感じる。

 そんな「シカトさん」は「美人のもと」が減っているように見える事が多い。たいてい忙しそうなしぐさで顔は険しい。何かに不満があるように見える。せっかくの「美人のもと」入手機会に減らしてしまっているのだ。

 もちろん誰にでも忙しい時間はある。しかし、そんな時でも「手から手へ」の瞬間を大切にする意識を持つべきだと思う。視線を相手に向ける時間など一瞬だ。そして、その手渡しの相手の目は忙しくて困っている自分の気持ちを和らげてくれることも多いのだ。


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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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