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7つの知性を磨く田坂塾

なぜ、あの人は欠点だらけなのに好かれるのか?

田坂広志 [田坂塾・塾長、多摩大学大学院教授]
【第2回】 2016年6月15日
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人間関係が好転する「こころの技法」

 拙著、『知性を磨く』(光文社新書)では、21世紀には、「思想」「ビジョン」「志」「戦略」「戦術」「技術」「人間力」という7つのレベルの知性を垂直統合した人材が、「21世紀の変革リーダー」として活躍することを述べたが、この「7つの知性」を磨く場として「田坂塾」を開塾したところ、現在、3000名を超える経営者やマネジャー、リーダーが集まり、様々なテーマでの学びを深めている。

 この連続講義「7つの知性を磨く田坂塾」では、この「田坂塾」での学びの一端を公開しながら、毎回、7つの分野から一つのテーマを取り上げ、講義を行っていく。

 この第2回では、「人間力」に焦点を当て、拙著、『人間を磨く − 人間関係が好転する「こころの技法」』(光文社新書)において述べた、次のテーマを取り上げ、論じよう。

なぜ、欠点の多い人間が好かれるのか?

 しかし、このテーマを見て、早速、読者からは、疑問の声が挙がるだろう。

 「いや、逆ではないか? 欠点の多い人間は、人から好かれないのではないか?」

人間として色々な欠点があるのに、不思議なことに人から嫌われない人物がいるものです

 誰もが、一瞬、そう思うだろうが、実は、そうではない。世の中を見渡すと、人間としてみれば、色々な欠点があるのに、人から嫌われない人物がいる。いや、むしろ、人から好かれる人物がいる。非もあり、欠点もあり、未熟さも抱えているのに、周りの人から好かれる人物がいる。

 読者の職場のリーダーや企業の経営者でもいるだろう。たしかに優れたところもあるのだが、色々と欠点もあり、そのため、ときに部下や社員を困らせる人物、しかし、なぜか、彼らから好かれる人物だ。

 二つの例を挙げてみよう。

 まずは、ある企業の営業課のA課長。営業センスは光るものを持っており、周りも一目置いているのだが、どこか大雑把なところがあり、ときおり、会議の予定を忘れ、周りに迷惑をかける。

 今日も、会議の始まる時刻になっても外回りから戻って来ない。そこで、部下が携帯電話に連絡をとり、急いで戻ってもらう。

 待たされた会議のメンバーが、「またか、困ったな…」と思っているところに、ようやく、A課長、戻ってくる。しかし、会議室に入るなり、次の一言。

 「すまん、すまん! 待たせて悪い! 俺、またやっちゃったな…」

 この一言で、会議のメンバー、苦笑交じりの笑い声。

 会議の後、A課長の部下が、他部からの参加者に対し、「お待たせして、すみませんでした」とお詫びをすると、彼らは、苦笑いをしながらも、どこか温かい一言。

 「まったく、もう、いつもこうなんだから…。勘弁してくれよ…」

 このA課長、なぜか、あまり嫌われていない。

 もう一人、別な例を挙げよう。

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田坂広志 [田坂塾・塾長、多摩大学大学院教授]

1951年生まれ。74年、東京大学卒業、81年、同大学院修了。工学博士(原子力工学)。87年、米国シンクタンク・バテル記念研究所客員研究員。同時に、米国パシフィックノースウェスト国立研究所客員研究員。90年、日本総合研究所の設立に参画。戦略取締役を務め、現在、同研究所フェロー。2000年、多摩大学大学院教授に就任。社会起業家論を開講。同年、シンクタンク・ソフィアバンクを設立。代表に就任。2003年、社会起業家フォーラムを設立。代表に就任。2008年、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムのグローバル・アジェンダ・カウンシルのメンバーに就任。2010年、4人のノーベル平和賞受賞者が名誉会員を務める世界賢人会議・ブダペストクラブの日本代表に就任。2011年、東日本大震災に伴い、内閣官房参与に就任。原発事故対策、原子力行政改革、エネルギー政策転換に取り組む。2012年、民主主義の進化をめざすデモクラシー2.0イニシアティブの運動を開始。代表発起人を務める。2013年、全国から3000名を超える経営者やリーダーが集まる場、「田坂塾」を開塾。「思想」「ビジョン」「志」「戦略」「戦術」「技術」「人間力」という「七つのレベルの知性」を垂直統合した「スーパージェネラリスト」への成長をめざし、塾生とともに研鑽を続けている。著書は、知のパラダイム論、未来予測論、地球環境論、複雑系社会論、情報革命論、知識社会論、民主主義進化論、資本主義進化論、産業政策論、経営戦略論、マネジメント論、リーダーシップ論、戦略思考論、プロフェッショナル進化論、社会起業家論、社会的企業論、仕事論、人生論、詩的エッセイ、詩的寓話など、様々な分野において国内外で80冊余。(所感送付先:tasaka@hiroshitasaka.jp
◇主な著書 『知性を磨く - 「スーパージェネラリスト」の時代』(光文社) 2014
『人は、誰もが「多重人格」 - 誰も語らなかった「才能開花の技法」』(光文社)2015
『人間を磨く - 人間関係が好転する「こころの技法」』(光文社)2016

 


7つの知性を磨く田坂塾

多くの問題が山積する21世紀、目の前の現実を変革するために、我々は、思想、ビジョン、志、戦略、戦術、技術、人間力という「7つのレベルの知性」を、垂直統合して身につけ、磨いていかなければならない。知性を磨き、使命を知り、悔いのない人生を生きるために、いま、我々は何を為すべきか。現代の知の巨人が語る。

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