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組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

「コンサルティング営業」で本当に商品は売れるか

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第45回】 2016年6月20日
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「コンサルティング営業」と言っても、会社によってその実態は大きく違うようです

 今年5月、日立製作所が海外を中心に営業人員を2万人増やすというニュースが出た。従来の機器・設備販売から、AI(人工知能)やビッグデータ解析などの先端技術を駆使したコンサルティング型サービスの提供に経営の軸足を移すのだという。いわゆる「コンサルティング営業」の登場だ。

 もちろん日立は「コンサルティング営業」の役割や意味合いをよく検討し定義したうえで、今回の経営判断をしたのだろうと思う。しかし、一般的に、「コンサルティング営業」と言ってはみたものの、結局「普通の営業」と何も変わらないまま、いつの間にかその看板を降ろす企業がほとんどのように思える。

 企業が「コンサルティング営業」などと言いはじめるのは、多くの場合、「商品が簡単には売れなくなった」ということを意味する。需要が一巡し、通り一遍のやり方では売れなくなってしまったために、物財だけでなく、そこに知恵という付加価値をつけて販売することを称して「コンサルティング営業」というのである。

 しかし、この「コンサルティング」という言葉の意味するところは非常に曖昧である。簡単に言えば「専門家の立場からクライアントの相談に乗り、解決策を示すこと」だが、どの程度、どのように相談に乗り、どのような解決策を示すのか、人によってとらえ方がまちまちなのだ。したがって、「コンサルティング営業」が何を意味するのかもわかりにくい。そんなことから、コミュニケーションを確かなものにするため、私は「コンサルティング営業」をいくつかのタイプにわけて話をすることにしている。

本当に「コンサル営業」と呼んでいいのか?
営業スタイルでわかる4つのタイプ

 たとえば、クライアントが「パンフレットを作りたい」と言ったとする。これに対して「わかりました。何ページくらいですか?オールカラーで良いですか?どの紙を使いますか?そしたらいくらくらいです」と言って料金プランの説明をはじめるのは、従来の「御用聞き営業」である。クライアントが認識している顕在化したニーズを拾い、欲しいという商品やサービスに落とし込む。非常にシンプルだ。

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秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

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