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「円」に取って代わる!?邦銀の仮想通貨が秘める潜在力

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第433回】 2016年6月21日
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邦銀初の仮想通貨
三菱UFJ銀の「MUFGコイン」

「ビットコイン」や三菱UFJ銀の「MUFGコイン」など仮想通貨が秘める潜在的インパクトは想像をはるかに超えるほど大きいようです。

 最近、仮想通貨という言葉をよく耳にする。あまりなじみのない言葉だが、この仮想通貨には想像をはるかに超える可能性が潜んでいるかもしれない。

 三菱東京UFJ銀行が、独自の仮想通貨である「MUFGコイン」の開発を進めて、近い将来、それを実際に使用すると報道された。これは邦銀初の試みだ。

 同行が仮想通貨の開発に本腰を入れた背景には、「ビットコイン」に代表される仮想通貨が、想定以上に人々の関心を集め、実際に普及しているからと見られる。その意味では、仮想通貨は、大手金融機関にとっても無視できない潮流の一つになっている。

 ビットコインが世の中に流通し始めたころ、国内の金融機関の関心はあまり高くなかった。ビットコインが、特定の政府や企業の信用の裏付けがない通貨=仮想通貨であるため、社会に広く受け入れられるとの見方は少なかった。

 しかし、ビットコインは、当初の予想に反して急速に世の中に浸透した。ビットコインで買い物ができる商店も増えており、資金の決済手段として普及が進んでいる。

 2014年、ビットコイン業者のマウントゴックスの破綻をきっかけに、政府も資金決済法を改正して仮想通貨の財産的価値を認め、取引業者に対する監督を強化している。

 そうした動きは、金融機関に「乗り遅れてはならない」との危機感を与えているはずだ。また、ビットコインの普及を支えるシステム="ブロックチェーン"の活用によるコスト削減への期待も高い。銀行の信用力を生かし、仮想通貨ビジネスを推進する動きは他の銀行にも広がると見られる。

 今後、仮想通貨ビジネスが発展すると、既存の通貨制度に大きな変革をもたらす可能性がある。それは金融機関の経営だけでなく、既存の経済政策、金融行政に変革をもたらす"金融イノベーション"になる可能性がある。

背景にビジネスチャンスの拡大と
ブロックチェーンによるコスト削減効果

 三菱東京UFJ銀行が、独自の仮想通貨であるMUFGコインの発行を準備している理由は、仮想通貨を用いたビジネスチャンスの拡大とコスト削減効果だろう。

 先述した通り、仮想通貨を用いた資金の決済は、徐々に世界的な広がりを見せつつある。国内でもビットコインを使って買い物ができる商店などが増えている。実際にビットコインを使った送金なども拡大している。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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