8月28、29日。東京の夏を彩る風物詩「高円寺阿波おどり」が、軽快なリズムにのって繰り広げられた。今年で54回目。杉並区というと「阿佐谷ジャズストリート」やクラシックの「荻窪音楽祭」も有名。西荻窪は「ピンポンパン体操」でレコード大賞の童謡賞に輝いた杉並児童合唱団発祥の地だ。歌謡曲なら、方南町に「杉並方南歌謡祭」がある。山の手の住宅地というイメージが強い杉並区は、音楽とゆかりの深いまちでもあったのだ。

一戸建の用地面積は23区で1位
住宅をはじめとしたまちの緑が豊かな区

 区の名前に植物がつく杉並区。その名のとおり緑豊かな区だ。統計データとしては参考値扱いとなるが、2007年の緑被率は21.8%。実に区内の2割以上が緑に覆われている。

 ところが、公園は必ずしも多くない。区の面積に占める公園の割合は3.0%で21位。農用地は23区中5番目の広さだが、その面積比率は1%台でしかない。広い河川敷を持つ大きな川がある訳でもない。ということは、住宅の庭をはじめ、まちの中の緑が多い。

杉並区――伝統と若者文化が共存共栄する「全国初」「東京初」が多い街

 例えば、宅地に占める独立住宅用地の割合は、49.8%と23区で最も高い。一方、総供給住宅戸数のうちの一戸建の割合は10位。一戸建の用地面積は大きいが、住宅数はそれほど多くない。つまり、一戸一戸の住宅の敷地にゆとりがある。だから緑が多くなる。