新しい何かが生まれ続ける東京。そんな東京の旬の魅力を象徴するのは、六本木をおいて他にない。かたや、東京の活力を底辺から支えるサラリーマンたちのメッカと言えば、新橋である。
港区は、東京を東京たらしめる新旧2つのパワーが交錯する、東京で最も東京らしい街だ。ご愛読いただいた「東京23区 データで分かる区の実力」は、今回が最終回となる。トリを飾るのにふさわしい港区を、満を持して紹介しよう。
人はセレブ、街はハイソ――。
平均所得日本一で大使館が集中する港区
日本の納税義務者1人当たりの課税対象所得額について調べると、その全国ベスト10(人口が少ない村を除く)のうち、8つを東京23区が占める。高級住宅地の代名詞とされる兵庫県芦屋市は、645万円でようやく5位にランクイン。それ以上は全て東京23区であり、内訳は4位が目黒区の680万円、3位が渋谷区の764万円、2位が千代田区の899万円、そして1位が港区となっている。
その額、実に1127万円。なんと、平均所得が1000万円を超えている。港区のリッチ度は、お金持ちが多い東京の中でもズバ抜けて高い。
住人が「シロガネーゼ」と呼ばれる白金をはじめ、麻布、赤坂、青山、高輪など、高級住宅地と言うよりは、「お屋敷町」と呼ぶ方がふさわしい街々が居並ぶ。そのルーツは江戸時代まで遡る。港区には、大名屋敷や旗本屋敷が建ち並ぶ、上級武士の屋敷地が広がっていた。
一戸建てに住む世帯の平均住宅面積は、2位の世田谷区を抑えてトップ。屋敷町の実力発揮というところだ。ちなみに、世帯当たりの住宅面積は共同住宅でも2位。マンションもウサギ小屋ではない。セレブには、広い住宅がよく似合う。