ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
イノベーション的発想を磨く

イノベーションを起こすのに必要なのは“才能”ではなく“練習”だった!

~『ゼロイチ』(林要著)を読む

情報工場
【第20回】 2016年6月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

ゼロイチで「イノベーションのジレンマ」を乗り切るには

 ハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授が提唱した「イノベーションのジレンマ」理論によると、イノベーションには2種類ある。

 一つは、既存製品や技術の改良を進めることで自社の現在のポジションを維持し、市場を拡大するための「持続的イノベーション」。もう一つは、まったく新しい価値を生み出すことで既存製品の価値を破壊し、新しい市場を生み出す「破壊的イノベーション」だ。

 クリステンセン教授の言う「イノベーションのジレンマ」とは、優れた商品や技術を持つ優良企業が持続的イノベーションに集中するあまり破壊的イノベーションに乗り遅れ、新興企業に市場を奪われてしまうことを指している。

 なぜそのようなことが起きるのか。

 破壊的イノベーションを起こす新商品や新技術は、導入直後は市場規模が小さく、技術的に最適化もされていないため利益率も低い。

 持続的イノベーションで自社の優位性を維持できている優良企業にしてみれば、小さい市場に利益率が低い商品をわざわざ投入するメリットがないのだ。

 むしろ優良企業は顧客のニーズに応えるために既存製品の改良を進め、さらなる持続的イノベーションに集中すべき、という「健全な判断」をするものだ。

 しかしその後、自社の市場に、新興企業の破壊的イノベーションによる新商品や技術の価値が急速に広まった場合には、「優良企業」の優位性が失われてしまう。

 しかしそれは、優れた経営者による「健全な意思決定」の結果だ。だから「ジレンマ」なのである。

 この「イノベーションのジレンマ」を打ち破るためには、どうすればいいのだろうか。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

情報工場

2005年創業。厳選した書籍のハイライトを3000字にまとめて配信する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP(セレンディップ)」を提供。国内の書籍だけではなく、まだ日本で出版されていない、欧米・アジアなどの海外で話題の書籍もいち早く日本語のダイジェストにして配信。上場企業の経営層・管理職を中心に約6万人のビジネスパーソンが利用中。

浅羽登志也

情報工場シニアエディター。1989年、京都大学大学院修士課程修了後、リクルート入社。同社スーパーコンピュータ研究所にてインターネットに関する研究に従事。1992年、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)に創業メンバーとして入社。インターネット黎明期からサービス開発・技術開発に携わる。IIJは、日本で最初にインターネット接続の商用サービスを開始したインターネットサービスプロバイダで2006年12月東証一部上場。1999年、IIJ取締役、2004年より2009年までIIJ取締役副社長。2008年より2015年までIIJイノベーションインスティテュート代表取締役社長。2015年7月よりIIJフェロー。情報編集にも興味を持ち、2007年より松岡正剛氏主催のイシス編集学校で松岡流編集術を学ぶ。現在イシス編集学校の師範を務める。2010年に軽井沢へ転居。自然農法で、自家用の蕎麦や大豆を栽培中。

 


イノベーション的発想を磨く

経営戦略を描くヒントになる、イノベーションのヒントになる、マネジメント層のための知恵袋になる…。経営層・管理職に本当に役立つ書籍を厳選して紹介。

「イノベーション的発想を磨く」

⇒バックナンバー一覧