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ソフトバンク孫社長「10年続投」のリスクは?

週刊ダイヤモンド編集部
2016年6月27日
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グーグルから165億円の巨額報酬で引き抜かれ、昨年度も80億円を手にしていたアローラ氏。今後は「ノープラン」という Photo:REUTERS/アフロ

 ソフトバンクグループで副社長を務めていたニケシュ・アローラ氏が電撃退任した。アローラ氏は米グーグルの最高事業責任者を経て、2014年にソフトバンクへ入社。主に海外の投資事業をけん引し、今年に入ってからは中国・アリババグループやフィンランド・スーパーセルの株式売却で手腕を発揮していた。孫正義社長の「事実上の後継者」と目されていただけに、株主総会前日に行われた突然の退任発表は市場を騒然とさせた。

 アローラ氏退任の理由について孫社長は「2年後の60歳になる誕生日に経営を引き継いでもらおうと考えていたが、まだやり残した仕事があると感じた。あと5年から10年の間は私が社長として率いる必要がある。その間、ニケシュを待たせてはいけない」と語った。「もう少し社長を続けたいという心変わりによる僕のわがまま」が理由であり、今後も同氏とは友好的な関係を続けていくという。なお、アローラ氏は7月1日付で同社の顧問に就任する。

後継者問題が再燃

 円満退社を強調するソフトバンクだが、アローラ氏をめぐっては海外の投資家グループから利益相反の有無や経営者としての資質、高額な報酬などについて厳しい追及が行われていた。孫社長はこうした声に対し「1000%信用している」とアローラ氏を擁護。6月20日に発表された特別調査委員会による調査結果も「申し立ての内容は評価するに値しない」としていた。だが、アローラ氏の資質に向けられる外部からの厳しい目が孫社長へのプレッシャーとなっていた可能性は高い。

 またソフトバンク内部でもアローラ氏に対する不満はくすぶっていた。中でも同社の中核事業であり、アローラ氏が取締役会長を務めていたヤフーでは、経営の方針をめぐって同氏と他の経営陣が対立。一時はアローラ氏が同社の経営陣を刷新するといううわさまで飛び交っていた。

 そして決定的だったのがソフトバンクの社外取締役を務める柳井正・ファーストリテイリング会長兼社長と永守重信・日本電産会長兼社長による助言。「孫さんに代わるような人はいない。60歳にもなっていないのに引退なんて考えられない」(柳井会長兼社長)。永守会長兼社長も「60歳で辞めると聞いて血迷っているんじゃないかと思った。69歳になってもまた10年は続ける。孫さんはそういう人」とエールを送る。こうした先輩経営者の助言が孫社長の背中を押したことは想像に難くない。

 マーケットは続投を評価したのか、株主総会当日は前日比152円高で引けたがリスクはある。「投資は好きだけど売却は苦手」と自ら認めるようにアローラ氏の抜けた穴は大きい。続投して正解だったということを孫社長は今後10年で証明してみせなければならない。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 北濱信哉)

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