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政局LIVEアナリティクス 上久保誠人

新内閣人事の○と×――菅首相は解散権を駆使して政局運営すべし

上久保誠人 [立命館大学政策科学部教授、立命館大学地域情報研究所所長]
【第58回】 2010年9月21日
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 民主党代表選挙は菅直人首相の圧勝となり、菅首相は、内閣改造・党役員人事を行った。今回は、民主党代表選を総括し、「菅人事」を評価することで今後の政局を考える。

剛腕政治家・小沢一郎の
意外な脆さ

 民主党代表選で注目すべきは、「党員・サポーター票」で菅首相が小沢氏の5倍のポイントを獲得したことだろう。国民が小沢氏の「政治とカネ」「古い政治手法」に対して厳しい評価をしていることが、改めて示されたといえる。小沢氏は、「英国流議会制民主主義」を日本に持ち込もうとした「改革者」である(第38回)。一方で、小沢氏は「古い政治」の象徴ともみなされ、基本的に国民からの「信頼」がない。

 現代の政治家は、この基本的な国民からの「信頼」を軽視できない。例えば、小泉純一郎元首相は、細かい点は別にしても、基本的に40~50%台の高支持率を持っていた。基本的な「信頼」があるから、小泉内閣は1つや2つ問題が起こっても、支持率が「危険水域」まで低下することがなかった。

 一方、小沢氏は元々「危険水域」程度の「信頼」しかなく、少し問題が起こっただけで即、要職からの辞任騒ぎになる。だから、政敵は小沢氏のスキャンダルをどんどん流そうとする。小沢氏の権力基盤を簡単に崩せるからだ。これは現代の政治家として致命的な欠陥だ。小沢陣営は代表選で「支持率ゼロでいい」と潔かったが、現代政治は「支持率ゼロ」では戦えないということをよく知るべきだろう。

岡田幹事長は
「陳情一元化」の真価を示すべき

 ここからは「菅人事」の検証に移る。代表選での菅・小沢のガチンコ対立は、菅首相が内閣・党執行部に集中する権限を完全掌握したことに対する、小沢陣営の危機感から起こった(第57回)。従って、「菅人事」の最大の焦点は、これらの権限を持つ官房長官・幹事長に誰を起用するかとなった。

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上久保誠人 [立命館大学政策科学部教授、立命館大学地域情報研究所所長]

1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。博士論文タイトルはBureaucratic Behaviour and Policy Change: Reforming the Role of Japan’s Ministry of Finance。

 


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「大物政治家に話を聞いた」「消息通に話を聞いた」といった大手マスコミ政治部の取材手法とは異なり、一般に公開された情報のみを用いて、気鋭の研究者が国内・国際政局を分析する。

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