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岸博幸のクリエイティブ国富論

7~8年後に中国の名目GDPは日本の2倍に!
尖閣諸島問題で“格下”外交にさらされる菅政権

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第107回】 2010年9月23日
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 尖閣諸島での中国漁船衝突事件を契機に、日中関係が急速に悪化しつつありますが、そこで目立つのは中国政府の強硬姿勢です。その背景について、メディア上では様々な視点から報道されていますが、中国の経済力の高まりも重要な背景となっているのではないでしょうか。

中国経済の躍進

 知り合いの中国政府関係者を含め色々な人に話を聞いてみたところ、多くの人が、中国政府にとっての東シナ海での海洋権益や制海権の確保の重要性という側面を重視していました。それ以外に、民主党政権の対中外交のスタンスの見極め、中国国内のネット世論への配慮のし過ぎといった側面に言及する人もいました。

 そうした政治的な要素が大きいのは間違いないのでしょう。ただ、ある人が教えてくれて“なるほど”と思ったのですが、経済面での中国の躍進も背景にあると考えるべきではないでしょうか。

 中国が急速な経済成長を続けているのはご承知のとおりです。今年の4~6月の中国の名目GDPが日本を上回ったという報道も記憶に新しいと思いますが、今後は両国経済の差が急速に開いていくことをご存知でしょうか。

 中国はこれまで二ケタ成長を続けてきましたが、最近は7~8%に成長率が鈍化してきています。そこで今後は8%成長を続けると仮定しましょう。一方で、日本はデフレを脱却できずに名目成長はゼロが続くと仮定しましょう。この仮定の下で機械的に計算をすると、10年後の2020年には中国の名目GDPは日本の2倍になるのです。

 中国の通貨である人民元の為替相場は過小評価されており、今後は人民元の切り上げが進むだろうことを考えると、実際にはもっと早く2010年代後半に中国の名目GDPが日本の2倍になる可能性が高いのです。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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メディアや文化などソフトパワーを総称する「クリエイティブ産業」なる新概念が注目を集めている。その正しい捉え方と実践法を経済政策の論客が説く。

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