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「中国の模倣品は正規品より上」アリババ会長の発言は本気か

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第210回】 2016年7月8日
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模倣品は新たなビジネスモデルとなりうるか

 先月、アリババグループ創業者であるジャック・マー会長の、ある発言が物議を醸した。その内容は次のようなものだった。

 「中国製の模倣品は、正規品よりずっといい」――

「中国製の模倣品は、正規品よりずっといい」との発言で物議を醸したアリババのジャック・マー会長 
Photo:代表撮影/Reuters/AFLO

 今年4月、国際模倣対策連合(IACC)に加入したアリババグループだったが、5月に除名されるという騒動があった。アリババといえば、同グループが運営する「タオバオ」や「Tmall」などの通販サイトで欧米ブランドのコピー品が大量に流通している。欧米社会では“悪名高き存在”といわれ、グッチやサンローランなどの加盟企業との間で不協和音が生じたのだ。

 一方で上記の“ジャック・マー発言”は、正規品を常識とする国際社会の秩序に一撃を食らわせることにもなった。資格取り消しに対する居直りとも受け止められるが、ジャック・マー氏発言の主旨をせんじ詰めれば次のようなものになる。

 「世界のブランドは、中国の安上がりな製造業に依存することで利潤を得た。ところが、(下請けだった)メーカーは長年のうちに知恵をつけ、直接、消費者に販売するようになった。しかもその商品は正規品より優れ、価格も安く、もはや模倣品とは言えない。すなわちこれは、新たなビジネスモデルによる正規品の瓦解だといえるだろう」

品質向上したコピー品

 2000年代前半、外資企業は中国を「世界の工場」ともてはやし、先を競って進出した。

 代表例が自動車業界である。完成車メーカーは、中国への進出を目指すと同時に部品調達ルートの確保に血道を上げた。2次請け、3次請けと呼ばれるサプライヤーがこれに付いていき、中国企業と合弁するケースもあれば、中国企業に直接注文を出すケースもあった。

 こうしたプロセスを経て、中国企業は相当に鍛えられた。かつて中国で自動車部品工場を立ち上げた中国人の元総経理はこうコメントしている。

 「当時は外観重視で、品質レベルは全く劣っていました。しかし先進国からの技術指導が進んだ今、中国の工場ではレース用など超高度な部品を除けば、いまやどんな部品でも作れるレベルに達したといえるでしょう」

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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