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山崎元のマネー経済の歩き方

「バブル」のサイクルで相場を見る

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第146回】 2010年9月27日
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 運用の世界では、「バブル」の形成と崩壊を含む経済循環の中で資産市場をとらえると理解しやすい。

 経済および資産市場の状態を、(1)低迷、(2)回復、(3)ブーム(好況)、(4)バブル、(5)バブル崩壊、の5段階に分けてみよう。

 現在の日本は、(1)低迷期から(2)回復期への移行段階にある。リーマンショック後の危機に伴う景気の大幅下落からのリバウンド的な回復もあり、回復期に見えなくもないが、7月の銀行の貸出残高を見ると対前年比マイナス1.9%と縮小しており、民間の信用縮小という低迷期の特色を残している。

 低迷期の金融政策は金融緩和。投資の世界では「債券の時代」だ。前半は「質への逃避」もあって国債が主導し、信用状態の正常化に従って社債が買われスプレッドが縮む。これが一巡する頃には次の段階に移る公算が大きい。

 日本が経験したことだが、金融機関が不良債権を抱え、この処理(開示と引き当て、必要な資本の積み増し)が十分に行われないと、金融機関はリスクを取った融資を拡大できない。現在の米・欧ではこのプロセスが片づいたとは言いがたく、融資の際の担保や余力の一部となるべき不動産価格の毀損もあって、1990年代から2000年代初頭にかけての日本のように、なかなか低迷期から脱することができない可能性がある。

 経済が安定的にプラス成長を取り戻し、民間の信用が拡大する段階に入ると、(2)回復期入りを認定していいだろう。この時期の金融政策は、まだ緩和状態が継続することが普通だ。投資のパターン化は難しいが、あえて代表選手を決めると、債券の時代は終わり、流動性と信用のある大型株から上昇を期待するのが定石だ。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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